ABO式血液型とは、血液型の分類法の一種です。赤血球膜に存在するA、Bの2種類の抗原(凝集原)の有無によって分類されるものです。
A抗原のみをもつもの→A型
B抗原のみをもつもの→B型
A、Bの両方の抗原をもつもの→AB型
A、Bどちらももたないもの→O型
また、血漿中にはA、B抗原に対応する抗体(凝集素)も存在します。α(抗A)、β(抗B)の2種類があり、これらは生後1年ほどで形成される自然抗体です。血液型により、どの抗体をもっているかが違います。
もし仮に、A型の血液型の人にB型の血液を輸血すると、どうなるでしょうか。
A型の血漿にあるβ(抗B)抗体はB型の赤血球膜にあるB抗原と抗原抗体反応が起こり、結合して塊を作ってしまいます。また、B型の血漿にあるα(抗A)抗体はA型の赤血球膜にあるA抗原と結合して塊を作ってしまいます。これを「凝集反応」といいます。凝集した赤血球は溶血や細い血管の閉塞を起こす可能性があるため、血液型不適合輸血は災害時などの緊急時以外は行わないものとしています。