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前回は内耳の構造について説明しました。
今回は耳から入った音刺激が内耳にある受容器までどのように伝導されるかについて説明します。
耳は外耳・中耳・内耳の3部で構成されているという話は前回しましたね。音は外耳→中耳→内耳の順に伝わって行きます。

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まずは外耳です。耳介から集められた音刺激は外耳道を通り、その先にある鼓膜を振動させます。鼓膜の先には中耳に属する鼓室があり(四角い箱の部)、内部には3つの耳小骨が並んでいます。

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耳小骨は外耳側からツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨です。ツチ骨は鼓膜と接しているため、鼓膜が振動することでツチ骨も振動します。

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その振動に連動して、キヌタ骨・アブミ骨も振動し、それぞれの骨がぶつかり合って鼓膜の振動は20倍以上に増幅されます。

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アブミ骨は前庭窓という窓にめりこんで存在しているため、アブミ骨が振動することで、前庭窓も振動します。前庭窓の先は内耳に属するラセン管があり、前庭階と接しているため、振動は前庭階内の外リンパに伝わります。

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前庭階の外リンパの振動はそのまま蝸牛頂に向かって進んでいき、頂で折り返し、鼓室階の外リンパを振動させます。そして今度は蝸牛底に向かって進んでいき、最終的に蝸牛窓にぶつかることで振動は消失します。
ラセン管の内部には蝸牛管があり、その底部(鼓室階側)にはラセン器という聴覚の受容器がズラリと並んでいます。外リンパの振動が鼓室階内を進む間に、音の振動の周波数に応じたラセン器が興奮することで、その刺激が蝸牛神経に乗り、最終的に側頭葉の聴覚野に達します。

外耳では気体の振動だった音刺激が、中耳では固体の振動となり、内耳では液体の振動となって伝わっていきます。このような連鎖のことをインピーダンスマッチングと言います。

内容が分かりにくかった場合には、前回のブログも見ていただくことをおすすめします。

◇あとがき◇
今回もラップの芯、空き箱、余り布などを使って作ってみました。耳小骨はコツコツといい音を鳴らしたかったので、ピンポン球を使用しました。内耳の部分は布で作っているため、くるくると丸めてラセン形にすることでカタツムリの殻の形も作りやすかったです。