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今回は内耳についてです。平衡聴覚器である耳は外耳・中耳・内耳の3部から構成されています。内耳は側頭骨の錐体内にあり、骨迷路と膜迷路からできています。
骨迷路は複雑な形をした中腔の洞で、内部に膜迷路を収めています。骨半規管・前庭・蝸牛の3部からなり、骨迷路と膜迷路の間は外リンパで満たされます。

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膜迷路は骨迷路の中に収まる複雑な形をした器官で、内部は内リンパで満たされます。膜迷路を構成するのは膜半規管、球形囊・卵形囊、蝸牛管です。球形囊と卵形囊は連囊管で連結されており、球形囊と蝸牛管は結合管で連結されています。

骨迷路と膜迷路の対応を見てみると、
✳︎骨半規管(骨迷路)の中に膜半規管(膜迷路)が収まる。
✳︎前庭(骨迷路)の中に球形囊・卵形囊(膜迷路)が収まる。
✳︎蝸牛(骨迷路)の中に蝸牛管(膜迷路)が収まる。
このような構造になっています。

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一部の例を挙げて見てみます。これは骨迷路である蝸牛と、膜迷路である蝸牛管です。蝸牛は実際にはカタツムリの殻のように巻かれた状態で存在しており、それをラセン管といいます。ラセン管のてっぺん(狭くなっている側)を蝸牛頂、ラセン管が前庭に接続する側(広くなっている側)を蝸牛底といいます。

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これは蝸牛と蝸牛管の位置関係を表しているものです。蝸牛管は蝸牛の内部に収まっており、蝸牛管の中には内リンパが存在しています。蝸牛管と蝸牛の空間には外リンパが存在しています。
実際のものは蝸牛管が蝸牛から飛び出していないので中に引っ込めてみますね。

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ラセン管の断面はこのようになっています。蝸牛管が蝸牛の内部を2つに分けています。
2階→前庭階(外リンパが入っている)
中2階→蝸牛管(内リンパが入っている)
1階→鼓室階(外リンパが入っている)

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ラセン管の展開図です。
蝸牛管のほうが蝸牛よりも短いため、蝸牛頂の部分で前庭階と鼓室階は通じています。→は外リンパの流れを表しています。
蝸牛管の鼓室階側にはラセン器という聴覚受容器が存在し、音刺激はラセン器から蝸牛神経に乗って大脳皮質の聴覚野まで到達します。

次回は音の伝わり方を簡単に示した模型をご紹介します。

◇あとがき◇
今回はフエルト布が大活躍でした。端布の始末も不要ですし、ミシン縫いにも対応できます。好きな形に塗ったあとは端にマジックテープをつけ、それぞれが取り外し出来るようにしました。ラセン管内の説明の際には展開図が示せるほうが理解が早い印象を受けました。