卵巣の肉眼構造です。卵巣の大きさは母指頭大で、形は楕円形をした実質性器官です。表層の皮質と深層の実質に分けられます。構造は、例えていうならアーモンドチョコをイメージするのがいいかもしれません(チョコの部分が皮質、アーモンドの部分が髄質)。




髄質は卵巣の中心部で、血管・リンパ管・神経に富んでいます。皮質は髄質を取り囲むように位置し、発達段階の卵胞や黄体・白体が見られる部です。卵胞とは、卵子を含む球状の細胞集合体で、成熟すると排卵が行われます。では、卵胞はどのように発達していくのか見ていきます。



まずは原始卵胞です。これはもっとも未熟な卵胞です(大きさは0.03mm)。1個の卵子とこれを包む卵胞上皮(単層扁平上皮)からなります。
女性は卵巣に200万個ほどの原始卵胞をもって生まれてきますが、思春期頃までに20万〜40万個まで減少してしまいます。その中でも女性が生涯排卵できる卵子は数百個しかありません。

一次卵胞は原始卵胞の卵胞上皮が厚さを増したものです(単層立方上皮)。



二次卵胞は一次卵胞の卵胞上皮が増殖し重層となったものです。卵子と卵胞上皮の間に透明帯ができ、卵胞表面に卵胞膜がつくられます。

胞状卵胞(三次卵胞)は、二次卵胞の卵胞上皮の中にすき間(卵胞腔)ができ、卵胞液が溜まったものです。卵子は周囲に寄り、卵丘を形成します。卵胞膜からはエストロゲンという女性ホルモンが分泌されます。



成熟卵胞(グラーフ卵胞)はもっとも成熟した卵胞です。やがて膜が破れ、中に入っている卵子が腹腔に排出されます。これを「排卵」といいます。排卵は基本的に4週ごとに左右の卵巣で交互に行われます。片方の卵巣を摘出した場合には、残った卵巣から毎回、排卵が行われます。
排卵後の卵巣は出血で赤く見えます。これを赤体といいます。



赤体はやがて多数の脂肪や黄色い色素で満たされ黄体に変化します。黄体からはプロゲステロンという女性ホルモンが分泌されます。排卵した卵子が受精・妊娠した場合、黄体は妊娠黄体となりその後も存在しますが、受精しなかった場合には退縮し、内部が結合組織が増殖した白体となり、やがて消失します。

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