米国人の知人が、やたらとホラー映画を観る。





私は「読む」のはまだしも

実写物を「観る」のは無理なたちなので、

そんなもんよう観るな…と

話を聞く度に呆れる。






ガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーン






米国🇺🇸のホラー映画産業と

その消費層の厚みといったらものすごく、

恐らく世界一 ホラー映画を

作って観ている国ではないかと思う。





おかげでNetflixのラインナップも

おおかた血みどろだ。

軒並み低予算・誰や俳優・

何回焼き直すんや脚本、

の三拍子揃ったいわゆるB級映画、

いやC、D、E級の作品ばかりである。


こんなんばっかり観てたら

頭が馬鹿になりますよ。と

言いたくなるようなサムネイル。

(観もしないで馬鹿と言うのも馬鹿であるが。)





しかし、私は最近その考えを改めつつある。





怖くて見れない私は

あらすじやハイライトシーンを

ネタバレで聞くのみなのだが、

そこで分かったことがある。





ホラー映画の中では、

昨今北米にていよいよ厳しさを増す

PC(political correctness、政治的正しさ)

への配慮が、限りなくゼロに近いのだ。


人種差別、性差別、容姿差別、

性的マイノリティ差別、

階級差別、国籍差別、病気差別、

身体障害差別、精神障害差別。


公に言ってはいけません!

言ったらあなたの人生終わります!


強烈なリベラル化で行き場を失った

素朴で粗野なそれら人間の感覚が、

低俗下劣なホラーという領域で

おおっぴらに解放されていた。

言っちゃいけないジョークも

てんこ盛りである。


そして、誰もサベツダーと訴えない。

なぜなら、低俗下劣なB級ホラーだから!






やっときた週末。

正しくて正しくて息詰まる日常から、

血しぶきとともに解放!





たしかにホラーとポルノというのは

一例、漫画出版業界に於いても

一般誌には出せない才能や

表現の解放場であったなと

ここでやっと気付いた次第であった。






ガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーン






してみると、

低俗下劣なホラー映画というのは、

北米保守層、または隠れ保守層の

魂の洗濯場なのであろうか。






現実世界も

なかなかの血みどろであるからして、

現代におけるホラー映画というのは

もはやドキュメンタリーの類なのやもしれぬ。





考えてみれば、私のホラーな結婚生活も

確かに、公にはできない

元夫のホンネのぶち撒け場であった。


なるほど、観る気が起きないわけである。(笑)