『マニュアルバカ』というあまりありがたくない言葉があります。


マニュアル通りにしか動けない人や、マニュアルを集めるだけで実際は動けない人に使われます。




例えば女性と知り合う機会もないのに【理想の恋愛を成功させる方法】なんて本を読んでも意味がないですよね。同じように動かせるお金もないのに【賢いお金の運用法】なんて本を読んでも役に立ちません。



実は私もマニュアルバカの一人でした。
小さい頃から文字を読むのが好きな子供だったので興味が在ることは直ぐ関連本を探しては読み漁っていました。

中学生の頃はボクシングが好きだったので、同じようは練習方法が書かれている本を4冊も持っていました。近くの本屋や古本屋などを回って4冊しか見つけられなかったから4冊だっただけで、実際もっとあれば更に数が増えていたでしょう。


他にもボクシング関連の本を集めました。伝記物や歴代の世界チャンピオンの本・過酷なボクシングの歴史等など。それらを大量にずっと読んでいると無意識のうちに「・・・オレ大丈夫か・・・?」と思うようになり・・・フェイドアウトです。コレは私の人生一生の悔いになるでしょう。



本や雑誌、新聞などから得られる情報は重要な資料になります。しかし、論として過剰に取り入れた知識が自分の自由な動きを鈍らせるということが多々あるのですよね。
これは『マニュアルを集めるだけで実際は動けない』系の典型的なマニュアルバカです。


そしてある時気付きました。
「マニュアル本を読んで感動したり興奮したり納得したりしても動かなくちゃ何の意味もない!更にレベルの高い話にビビって何もしないのはホントにバカじゃん!」と、こんな簡単なことから目を逸らしていた事に気付いたのです。



この頃、会社を動かす立場になって尚更思うことがあります。
私は【会社の経営】に関する本を何十冊と読んできました。10代の終わりから会社を創りたいと思っていたのでその時からずっと読んでいたのです。営業の本や売れる物を作る方法などの本も沢山。


しかし、それはいらない足踏みの時間だったんだなと今感じています。
何故なら【会社の経営】の本に書いてある事は経営者というその立場になってやっと本当に身に沁みて理解できるようになるのですから。




今日も風呂に入りながら4年前に買った「売り込まなくても売れる」という本を読みつつ、しみじみ思ったことは、
「指南書(マニュアル)を手にするタイミングは一歩足を踏み出したその後なんだな」ということです。
いまは同じ本でも4年前とはまったく違った目線なので、本当に違う本を読んでいるように感じます。