週末金曜日の南アフリカ金融市場、寄付きから鉱工業品先物価格が急落。 原油価格が

一時的に 70.0ドルの大台を割り込んだことから、金価格も 640ドルから 625ドルまで

一気に値を落とし、先週一週間で 3.5 % もの価格下落となった。 金価格は 3週間

ぶりの安値。

この金価格の急落を背景に、ランドは買い手の少ない夏季休暇真っ只中の為替市場で

売り先行。 1ドル 6.825ランドで取引が始まったものの、米国商品先物市場が

オープンになると、商品価格の下落とともに急落。 6.900 を超えたところでストップ・

セルも入り引け前には 1ドル 7.00 の大台を超える水準にまで打ち込まれて行った。

ランド安と共に南ア債券市場も売りが先行。 また午後になって発表された米国 8

フィラデルフィア連銀製造業指数が前月の 6.0 から 18.5 へと大きく上昇していた

ことから更なる利上げを連想。 南アフリカ金利にとってもマイナー材料となるため、

この数値を確認した後もう一段の売りが見られた。

しかしながら同時に短期金利も上昇したことから、同日行われた 3, 6, 9ヶ月物の南ア

T. Bill入札は逆に良好な結果なった。 特に 9ヶ月物 T. Billは今年最高の落札となり、

273 T. Bill 平均落札利回り: 8.72 %  応札額: 750 mil 落札額: 150 mil  

倍率: 5.0 倍と、一年未満の南ア金利は引けにかけてむしろ買い戻される動きとなった。

明日 8 22日、南アフリカは第 2四半期の GDP発表を控えている。 市場予測では

* Q-2 GDP + 4.3 % (QQ) / + 4.0 % (YY) (Q-1 + 4.2 % / + 4.0 %)

と、第 1四半期比やや高めの数値となっているが、この期間ランド安が進んだこともあり、

輸出の伸びがどこまで GDPに寄与するのかといったところ。

いずれにしても景気の落ち込みが未だ現れていない南アフリカ。 GDPが市場予測を

超えた場合、もう一波乱あるかもしれない。 ただ市場では、この GDPよりも、 8

30日に予定されている 7 CPIの方を気にしているため、 GDPは一過性の材料と

なる公算が高い。

南アフリカ金融市場は新興国市場が総じて崩れる動きに同調。 引け前に売り圧力は

弱回ったものの、 2年債で 9.5 bp以上、 10年国債は前日比 9.0 bp 以上利回りを

押し上げて引けている。