<台風18号>過去10年で最大級 列島厳戒
10月7日20時35分配信 毎日新聞


台風18号の接近を受け、ダイヤが乱れる可能性を乗客に伝える掲示=JR大阪駅で2009年10月7日午後6時50分、山本晋撮影

 台風18号の列島縦断に備え、7日、各地で厳戒態勢が取られた。過去10年で上陸した台風では最大級の勢力とされ、進路にあたる地域では、消防が出動準備を進め、被害を最小限に抑えようと自治体が土のうを配るなど事前の対策に乗り出した。学校の休校や航空機の欠航も相次いだ。【川辺康広、馬場直子、江畑佳明】

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 ◇土のう依頼の電話殺到

 東京消防庁は7日午後9時、大雨による水害が予想されるとして「水防非常配備態勢」を管内の80消防署に発令した。東京都中野区の野方消防署では、当直の隊員らが河川の氾らんに備え、ゴム製の救命ボートや救命胴衣、スコップ、土のう袋などの資機材を非常用のポンプ車に積み込んだ。

 浸水被害を防ぐための土のうを住民に貸し出す東京都杉並区の土木事務所には、依頼の電話が殺到し、職員が対応に追われた。

 05年9月の「ゲリラ豪雨」で浸水被害が相次いで以降、貸し出し依頼が急増しているという。土のうは一袋20~25キロ。貸与は無料で、希望者には職員が自宅まで届ける。今回は6日から7日にかけ、区内の戸建て住宅やビルから約190件(4200個分)の要望があったという。土木事務所の担当者は「注文がたまっているが、台風の上陸前には届けたい」と話した。

 ◇8日は航空236便欠航

 台風18号の影響で、航空各社の旅客便の運航が大きく乱れた。7日午後10時現在、欠航は▽全日空69便▽日本航空65便▽日本エアコミューター83便など。全日空では約8100人、日本航空では5110人の乗客に影響が出た。8日も全日空167便、日本航空69便の欠航が既に決まっている。

 ◇関東で3千校休校

 関東の1都6県では、少なくとも3000校以上の公立学校が8日の休校を決めた。

 東京都教委によると、7日午後8時半現在、休校が決まったのは千代田区の小中学校10校▽杉並区の小中学校66校など。都教委の担当者は「まだ回答のない自治体が多いため、休校が増える可能性が高い」としている。

 茨城県内では、44市町村が全公立小中学校計803校を休校とするのをはじめ、埼玉県では公立の幼稚園、小学校、中学校、高校、特別支援学校の計717校が休校する。このほか、栃木県の公立小中高校と特別支援学校の計543校▽神奈川県内の小中高校と特別支援学校569校▽群馬県の公立小中学校235校▽千葉県内の公立小中学校119校が休校を決めている。

 ◇湘南新宿ラインなど運休 JR東日本

 JR東日本は7日、8日午前の在来線運行について、複数路線で、始発から運休したり通常の50~70%の本数にすることを決めた。

 主な運休予定は、湘南新宿ライン▽東海道線、横須賀線、中央線の朝のライナー▽京浜東北・根岸線の快速▽中央線、外房線、内房線、常磐線の特急など。本数を減らすのは東海道線、横須賀線、京葉線、埼京線など。

 山手線や成田エクスプレスは通常通りの予定。JR東日本広報部は「台風の進路や状況次第で、運休の変更もある」と話している。