JG 水 (No.20) | Zarchery's fanciful story

Zarchery's fanciful story

Zarcheryが考える物語。ただしストーリは気が向いた時に書き、予告なく変更される。たとえそれがすでに公開されている内容だとしても。そんな物語をはたして貴方は読む気になるだろうか?
                 - Since March, 2007 -

「これが色々あってさ・・・・」相葉は車から降りた。

「色々って何だ?」ヒロアキは眉間にシワを寄せながら聞き返す。

「まぁ、とりあえず家の中で話そうよ」とニッコリ笑う相葉に

「誰の家だ!」と言い返したが、

「ヒロアキんちだよ」と笑顔で返された。

ヒロアキは言いたい事はたくさんあったが全てを飲み込んで黙って背中を向けて歩き出す。もちろん、相葉がついてくる事も承知の上だ。

「ミネラルウォーター買った?」歩きながら相葉が尋ねる

「お前の分はない」後ろを振り向かずに答える

「じゃあ、半分にしよう!」

ヒロアキは後ろを振り返りながら相葉を睨みつけると満面の笑みが視界に入った。

「今夜、泊めてやらないぞっ」

「わかったよぉ~」しょんぼりする。

しかし立ち直りの早い相葉は、部屋に入るなり、まるで自分の家のようにサッサと冷蔵庫からビールを取り出し、ソファーでくつろぎ始めた。ヒロアキはそんな様子を眺めならが呆れたようにため息をつく。

「で、メシは食ったのか?」

「食べてない。でも・・・」

「でも?」

「今日はつまみでいい」

ヒロアキは相葉がいつになく元気がないことにようやく気づいた。珍しく少し顔色が悪く、疲れているようだった。コンビニで買ってきた物をテーブルに並べ、自分も冷蔵庫からビールを取り出して相葉と向かい合って座った。ビールを相葉の方へ突き出し、それに気づいた相葉もビールを突き出して乾杯をした。

ヒロアキは相葉の様子を伺いながら一口飲んで聞いてみた。

「何があった?」

「水かなぁ」

「水?」突拍子もない答えに首をかしげる

「うん、ビックリするほどまずいんだ」

「何の話だ?」

「彼女んちの話。なんか・・・へんな味がするんだ。でも、彼女は普通だって」

ヒロアキは相葉の意図していることが全くわからないので黙って相葉の話を聞いていた。

「水だけじゃなくてさ、そう、例えばこのビールやジュースも。水道水じゃなくてミネラルウォーターとかもだよ。なのに、このビールはまずくない」相葉は自分のビールの缶を見つめていた。

「お前、アタマ大丈夫か?」

「ホントなんだよ。気分が悪くなるほどまずいのに、皆、平気な顔してるんだ」

「皆って?」

「ああ、今日の昼、彼女の家でパーティーをやったんだけど、そこに来ていた彼女の友達とか。皆、平気な顔してた。オレ、吐いちゃったんだよ、具合悪くなって」

「飲みすぎたんじゃないのか?」

「アルコールは一滴も飲んでないよ」

ヒロアキは相葉がウソはついてないなと思った。なぜなら相葉は夜は飲んでも昼間はアルコールを口にしないことを知っていたからだ。それに今日の相葉は、いつものおどけた感じではなく、真顔だった。ヒロアキは真面目に彼の話しを聞くことにした。

「まずいってどんな風に?」

「言葉では説明できない。ただ・・・」

「ただ?」

「おかしな事を発見した」