「エドが貴方の味方だと?」
京香は知色の顔をまっすぐ見つめて問いかけた。
正直、エドが自分の味方だと思ったことはない。ただ。ただ敵だと思ったこともない。
というより、自分の周りに味方などいるのだろうか?と思った。知色の答えが出ないうちに
「エドワード」と京香が言った。
「え?」
「彼の名前」
「エドワード?」
「そう、エドワード・ボンド」
「ボンド・・・・」知色は聞き覚えのある名前だと思った。遠い記憶だった。遠い記憶の引き出しが開いてしまった瞬間、思わず口元に手を当てた。
「そう」京香が答えた。
知色は京香の答えよりも、独特なやさしさ、それでいてどこか冷たい上手く言葉で言い表せない不思議な空気が気になって仕方がなかった。
「私は・・・少なくとも貴方の敵ではないわ。今のところ」知色を見透かしたように京香が答える
「承知しています。さもなければわざわざここへは来ません」
「では最初の質問の答えを」
「わかりません」
「なぜ?」
「なぜでしょう?真実を見ていないから。そして私とエドとのかかわりから想像しても判断できない」
「そう」
「では貴方はエドが敵だと?それとも味方だと?」
「エドワードはボンドのDNAを受け継いでいます」
「それでは・・・」
「ボンドは敵です。でもエドワードは敵ではありません」
「あぁ・・・」知色は京香の言葉の意味を理解した。
「良かったわ、貴方が頭の良い人で」京香はそういって資料を広げた。「これからかかわる私たちの“仲間”です」
「なぜ?」知色は目を疑った。
なぜ、その人物の名前がそこに刻まれているのか、と思った。誰も知るはずがないのだ。誰も。だが、そのリストにはしっかりと刻まれていた。
"名前のない男(ジジの血をひく者)"
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京香は知色が去った部屋でシンと2人でいた。
「少し、きつかったかしら・・・」京香がシンに問いかける。
「どうでしょう?」笑顔で答えるシン。
「まぁ。なんて意地悪なシンちゃんっ」と京香が急に砕けた口調で話し出す。
「その変りよう・・・」笑いながら、シンはふざけて目を丸くして答える。
「ブラック規約とグレー規約・・・」そういって京香がシンの顔をのぞき、それに答えるように「もうひとつ」と人差し指を立てるシンに対してすかさず人差し指を口に持って言って「シッー」と京香が答える。
「でも・・・JGってなんなんだろう?」とシンが独り言のように言葉にすると京香がさらっと答えた。
「ジャパニーズ・ゴールド」


