血尿との闘い、入院・手術そして高圧酸素療法へ
私は2018年に前立腺がんの手術を受け、その後再発予防のため放射線治療を受けた。治療から数年が経過し、PSAは低値で安定していたが、今度は放射線治療の晩期障害と思われる症状が現れた。突然始まった血尿ある日、尿に血が混じるようになった。最初は様子を見ていたが、次第に出血量が増え、ついには血の塊まで出るようになった。膀胱内で出血が続くと血液が固まり、尿道を塞いでしまうことがある。その結果、尿が出せなくなり、強い苦痛を伴う状態となった。救急搬送、そして入院症状が悪化したため救急外来を受診した。診察の結果、放射線治療の影響による放射線性膀胱炎が疑われ、そのまま入院となった。膀胱内の血液を洗い流すための持続膀胱洗浄が行われ、大きなカテーテルが留置された。しかし出血は完全には止まらず、根本的な処置が必要となった。経尿道的止血術その後、経尿道的止血術を受けた。尿道から内視鏡を挿入し、出血している部位を確認しながら電気的に止血する治療である。手術後もしばらくカテーテル管理が続いた。カテーテルが入っている間は排尿の心配はないが、患者としては「抜いたあと本当に自力で排尿できるのか」という不安が大きい。カテーテル抜去そして迎えたカテーテル抜去の日。幸い、自力で排尿することができた。尿の色も徐々に改善し、大量出血は落ち着いた。ただし、尿道や膀胱の手術部位には痛みが残り、椅子に座るだけでも違和感を感じる状態が続いている。それでも、自力で排尿できる喜びは大きかった。根本治療としての高圧酸素療法今回の止血術は、いわば出血に対する応急処置である。問題は放射線によって傷ついた膀胱の組織そのものだ。そこで主治医から提案されたのが、高圧酸素療法(HBOT)である。高圧環境下で高濃度酸素を吸入することで、血流の悪くなった組織の修復を促進し、新しい毛細血管の形成を助ける治療法だ。放射線性膀胱炎に対して一定の効果が期待されている。私は昭和大学藤が丘病院で治療を受けることになった。これから始まる30回の治療高圧酸素療法は1回で終わる治療ではない。一般的には20〜30回以上行うことが多く、私も約30回の治療を予定している。長い道のりではあるが、再び血尿に苦しむことなく生活できるようになることを願っている。医学の進歩に感謝前立腺がんの手術から8年。その間、再発や放射線治療の後遺症、リンパ浮腫、胆石手術、腸腰筋膿瘍など、さまざまな病気や治療を経験してきた。正直、「もう十分だろう」と思うこともある。しかしそのたびに、医師や看護師、そして医学の進歩に助けられてきた。今回もまた、新しい治療に希望を託している。放射線性膀胱炎との闘いはまだ続く。だが、これまで何度も病気を乗り越えてきたように、今回も前を向いて進んでいきたいと思う。