エネルギー補給の点ではウナギは申し分ない。

夜のお菓子ウナギパイなんて銘菓もあるくらいだから、

ウナギは夜戦にはもってこいの食品として高く評価されてきた。

夜の10時、11時といった時間帯に佳境を迎える熱戦に備え、

ウナギを食べておくという姿勢には十分な合理性がある。


もともと順位戦の対局は将棋ファンからの注目度も高い。

棋士の晴れ舞台のひとつだ。

ハレの場には誰だってご馳走をはずみたくなる。

財布の紐を緩めて鰻重を注文したくなる。

そんな気持ちは私にもよくわかります。


という訳で、

9月20日に行われた順位戦C級2組の一斉対局では

鰻重を注文する棋士が4人も出た。


【ふじもと(将棋連盟の近くにある料亭らしい)】
室岡七段 うな重(梅)・肝吸い
岡崎六段 うな重(梅)・肝吸い
佐藤紳六段 うな重(梅)・肝吸い
村中六段 うな重(梅)・肝吸い


ここでひとつの疑問が沸いてくる。


4人とも揃って梅なのは何故か?


梅はウメーからじゃないか、

と言っている人もいるようですが(私です)

眉唾です。

松は待つ時間が長いから、という説もありますが(私の説です)、

もちろんアテになりません。

出前の時間を測ったデータはない。

では、なぜ梅なのか?

解読困難なこの疑問への回答は皆さんへの宿題として残しておくとして、

ショーゲキ的だったのは、

この日、鰻重を注文した棋士の全員が枕を並べて討ち死にしたことです。

鰻重は全敗だった。

何故だろう?[続く]