永瀬拓也4段が注文したとされる『鰻丼・たぬき丼セット』に触発されて、

たぬき丼が食べたくて食べたくて

どうにもこうにもしょうがなくなった。


揚げ物をやっている奥さんに七重の膝を八重に折ってお願いし、

たぬき丼の必須アイテム、天カスを作ってもらった。

これは何日か前にお伝えしたとおりです。


で、お伝えしたとおりの翌日の夜、

我が家では盛大にたぬき丼試食会が執り行われました。


司会挨拶やたぬき丼入場式の賑々しさとは裏腹に、

食卓の上には丼と味噌汁とお新香のみという

実に簡素というか閑散というか、質素でエコでシンプルライフな晩餐でありました。


問題の味ですが、

おおむね玉子丼と変わらなかった。

大筋で玉子丼であった。

ほとんど玉子丼である。

いやまったく玉子丼じゃあるまいか。

と言わざるをえません。


ちゃんと天カス入ってます。

私がこの手で入れましたから。

という青年の主張、

元へ、奥さんの主張がなければ、

『今日は玉子丼か。

そうか。トンカツも鶏肉も買えなかったのか』

と悲観し頭を抱えながら行く末の厳しさを思ったところです。

そう思ったと思います。


たぬきは何処に行ったのかと、

よーく口の中をモニタリングしてみると、

時折り、

天カスが上と下の歯の間で押しつぶされて

じわりとサラダ油を体内から吐き出す。

うん,確かにこれは天カスの味。

思い出せば

学食の天麩羅は50パーセントがコロモ、簡単に言えば大きな天カスであった。

あれを天麩羅定食と言い張って出していた学食はエライ。

いい根性をしていた。

見習わねば。

と思ったり。


とにかく、

そう思ったと思ったり、

昔の学食を思い出したり、

見習わねばと思ったり、

思いが多かったたぬき丼でありました。