3.
ぐっすり寝て良いコンディションで迎えた荒木戦。
「荒木3段についての印象は?」
環那さんに聞かれた佐々木勇気4段。
「荒木3段とは何局か三段リーグで指したことがあります。
終盤の粘り強さや追い込みが印象に残っています」
と答える。
「対戦成績はそんなに悪くない?」
「ええ。でも1回負けてしまいました。それも終盤でひっくり返される将棋だったんです」
「いやなイメージがあったわけですね。どんな一戦だったんでしょうか。
では解説をお願いしましょう」
ここで場面が変わると西尾5段と佐々木4段が盤面の前に立っている。
西尾5段が
「すごい大一番だったわけですけど、なにか作戦は決めてたのかな?
この一番、迎えるにあたって」
聞くと、
「そうですね。荒木さんが向かい飛車をよく指しているという情報があったので、
それで向かい飛車を重点的に調べてきました」
「あっ。じゃぁ、本局は向い飛車になったんですけど、かなり対策は万全という感じで」
「はい、実戦例などよく並べて勉強してきました」
ということで実戦譜の解説が始まった。