5.衝撃の事故、いや事件勃発


フリフリフリフリとマチャアキさんがタンバリンをフリながらオサルさんみたいに歌って踊る。その隣で井上順さんも学芸会の園児みたいにニコニコとタンパリンを振る。右手で叩いちゃぁ真ん中の穴にその手を通す。いわゆる抜きを入れながら合唱です。

と、事件はイキナリ起こった。現場で起こった。なにしろ当時のテレビ番組はすべて生(なま)ですから。

マッシュルームカットといえば聞こえはいいが、実態は毒キノコのタマゴダケみたいな頭をしたムッシュ。


典型的なマッシュルームカットだったテンプターズの松崎由治クン



その他大勢のひとりだとばかり思っていたかまやつアニキがですよ。やおらエレキギターを首の後ろに回すと、ガチャガチャガチャと始めたわけです。クツワ虫の真似を。じゃなくてギター・プレイを。

いや驚いた。今なら目が点になるって言うんでしょうね。しばし呆然。何が起こったのか、心の整理に1 時間。なーんてほどではなくても、とにかく驚天動地のデキゴトだった。あんなことをして感電死しやしないか。余計な心配までしてやったくらいです。


かのジミヘンがロンドンでその衝撃のギタープレイを披露するのが1966年10月です。ムッシュはその1年以上も前にギターを首の後ろに回してガチャガチャやっていた。ムッシュはエライ。