さっちゃん
『少しの痛みが何かはわからないけどそんな事が可能なら私も頑張る。西郷寺君と連絡先交換したいです。』
目の前にぶら下げられたご褒美のせいでさっちゃんが冷静でなくなるのが分かる。
西郷寺
『簡単だから安心して。セキュリティーを解除する為のキーワードを僕に送ってくれるだけで大丈夫。【GREEN BOX=66】とだけ書いたメールを今すぐ10通送ってきて。セキュリティーが解除されれば文字化け機能にエラーが生じて連絡先を送りあえるようになるから。とにかく急いで。』
【GREEN BOX=66】て何だ?セキュリティーを解除するって何だ?
『これ何の話をしてるんですか?【GREEN BOX=66】なんてキーワード僕は教わってないですけど?これ何なんですか?』
僕の横でじっと様子を伺っていた西田さんに尋ねる。
一刻も早く状況を理解したい。
先へ先へと進むのは簡単だが全ての状況を把握した上で進みたいのだ。
そして西田さんは僕の質問を受けて真顔で答える。
『なんなんだろうね?』
なんなんだろうね?って何だ?
質問したのは僕だ。新しいオペレーターを次から次へと生み出すサクラ製造機が知らない事なんてあるわけが無い。
『真剣に聞いてるんです。僕みたいなペーペーに教える事の出来ない秘密の暗号なのかも知れませんがどうか教えて下さい。全てを話すと約束したじゃないですか?』
『うーん、、、でも知らないしな、、、、えーと、、』
考え込む西田さんを見ていると惚けているようには見えない。本当に知らないのか?
西田さんでも知らない【GREEN BOX=66】てなんなんだろう?
僕なんかが答えを見つける事など出来るはずも無いのに僕も黙って考え込む。
すると
『わかった!!』
めずらしく西田さんが声を上げる。謎を解き明かした事が余程嬉しかったのだろう。
僕は早く説明してくれと西田さんにせがむ。
『あれ見て!あれだよ!』
西田さんは説明のかわりに何かを指差す。
急いで僕はその指の先に視線を移す。
しかし、誰も居ない。何も無い。
何を指差してるんだと更に目を凝らした瞬間にある物が目に飛び込んでくる。
それを見て僕は唖然とする。
え?しかし、、これは、、
西田さんの指の先には
僕が目を凝らすその先にあったものは
数字で66と書かれた緑色の箱だった。
『あれがなんなんですか?あれがどう関係するんですか?』
たまらず僕は西田さんに尋ねる。意味がわからない。ただの箱にしか見えないからだ。
『いや、だから【GREEN BOX=66】の正体だよ。緑の箱に66て数字が書いてあるもん、だから【GREEN BOX=66】の正体はあれだよ、絶対!私天才!』
得意気に答える西田さんだがそれでは答えになっていない。
正体はあれで構わないがそれがどうセキュリティーを解除するのかが僕は知りたいのだ。
『あれがどうしてそんなに重要なものなんですか?』
僕の苛苛は再度沸点に達する。
『いや、ただの箱だよ。何でもないただの箱。』
もうわけが分からない。話を見失うというのはこういう状態なのだろう。
『じゃあ、あれがどうやってセキュリティーを解除するんですか?』
半ば投げやりに僕は西田さんを問いただす。
『何言ってんの?セキュリティーなんてそもそも存在しないよ?ハセガワ君も知ってるじゃん。これは西郷寺を担当している人間の口からでまかせ。全部嘘。目に入った箱の名前をそれらしく言っただけ。ハセガワ君がそれの意味を聞くから私はその答えを必死に探しただけだよ。こんなのは全部嘘。こんなもの気にしなくていいよ』
そう言われて初めて
そりゃそうかと冷静になる。
こんなのは全部嘘だ。
だって個人情報は僕らには見えてるんだから。
こんな馬鹿馬鹿しい事に、使わなくていい時間を費やした事を後悔をする。
でも、さっちゃんは?
さっちゃんはどう思う?
残念だけどこれを疑う事などしないだろう。
心を許した男性から言われた言葉なのだから。
そんな風に思いながら、ようやく僕はこの先のメール履歴に目を通す。
さっちゃん
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
何も疑う事も無くこんな馬鹿げた10通のメールを西郷寺に送るさっちゃん。
そして
さっちゃん
『10通送ったよ。これで連絡先交換が出来るのかな?私の連絡先を西郷寺君に送ればいい?』
この後、計160通にも及ぶメールをさっちゃんが西郷寺に送ったという事実を知っている僕は
既にこの先の展開が想像できた。
僕が想像したのはとても残念な展開だが、どう考えてもこれは外れてはいないと思う。
凄く残念な展開なのだけど。
西郷寺
『ここまでは完璧。じゃあ次に【WHITE WATER=500】とだけ書いて20通送ってきて。』
やっぱりそうだ。
さっちゃん
『え?まだあるの?これで終わりじゃないの?』
西郷寺
『まだだよ。でもこれで連絡先交換が出来るのなら安いもんだろ?かかったお金は会えた時に僕が責任をもって返すし。とにかく今は連絡先交換を成功させる事だけを考えて。今止めたら最初の10通も全部無駄になっちゃうから』
さっちゃん
『分かった。西郷寺君を信じる。今からメールを送る為のポイントを購入してすぐに20通送るね』
想像したとおりさっちゃんは逃れようの無い負のレールに既に乗ってしまっていた。
終着点の無い負のレールに。
『少しの痛みが何かはわからないけどそんな事が可能なら私も頑張る。西郷寺君と連絡先交換したいです。』
目の前にぶら下げられたご褒美のせいでさっちゃんが冷静でなくなるのが分かる。
西郷寺
『簡単だから安心して。セキュリティーを解除する為のキーワードを僕に送ってくれるだけで大丈夫。【GREEN BOX=66】とだけ書いたメールを今すぐ10通送ってきて。セキュリティーが解除されれば文字化け機能にエラーが生じて連絡先を送りあえるようになるから。とにかく急いで。』
【GREEN BOX=66】て何だ?セキュリティーを解除するって何だ?
『これ何の話をしてるんですか?【GREEN BOX=66】なんてキーワード僕は教わってないですけど?これ何なんですか?』
僕の横でじっと様子を伺っていた西田さんに尋ねる。
一刻も早く状況を理解したい。
先へ先へと進むのは簡単だが全ての状況を把握した上で進みたいのだ。
そして西田さんは僕の質問を受けて真顔で答える。
『なんなんだろうね?』
なんなんだろうね?って何だ?
質問したのは僕だ。新しいオペレーターを次から次へと生み出すサクラ製造機が知らない事なんてあるわけが無い。
『真剣に聞いてるんです。僕みたいなペーペーに教える事の出来ない秘密の暗号なのかも知れませんがどうか教えて下さい。全てを話すと約束したじゃないですか?』
『うーん、、、でも知らないしな、、、、えーと、、』
考え込む西田さんを見ていると惚けているようには見えない。本当に知らないのか?
西田さんでも知らない【GREEN BOX=66】てなんなんだろう?
僕なんかが答えを見つける事など出来るはずも無いのに僕も黙って考え込む。
すると
『わかった!!』
めずらしく西田さんが声を上げる。謎を解き明かした事が余程嬉しかったのだろう。
僕は早く説明してくれと西田さんにせがむ。
『あれ見て!あれだよ!』
西田さんは説明のかわりに何かを指差す。
急いで僕はその指の先に視線を移す。
しかし、誰も居ない。何も無い。
何を指差してるんだと更に目を凝らした瞬間にある物が目に飛び込んでくる。
それを見て僕は唖然とする。
え?しかし、、これは、、
西田さんの指の先には
僕が目を凝らすその先にあったものは
数字で66と書かれた緑色の箱だった。
『あれがなんなんですか?あれがどう関係するんですか?』
たまらず僕は西田さんに尋ねる。意味がわからない。ただの箱にしか見えないからだ。
『いや、だから【GREEN BOX=66】の正体だよ。緑の箱に66て数字が書いてあるもん、だから【GREEN BOX=66】の正体はあれだよ、絶対!私天才!』
得意気に答える西田さんだがそれでは答えになっていない。
正体はあれで構わないがそれがどうセキュリティーを解除するのかが僕は知りたいのだ。
『あれがどうしてそんなに重要なものなんですか?』
僕の苛苛は再度沸点に達する。
『いや、ただの箱だよ。何でもないただの箱。』
もうわけが分からない。話を見失うというのはこういう状態なのだろう。
『じゃあ、あれがどうやってセキュリティーを解除するんですか?』
半ば投げやりに僕は西田さんを問いただす。
『何言ってんの?セキュリティーなんてそもそも存在しないよ?ハセガワ君も知ってるじゃん。これは西郷寺を担当している人間の口からでまかせ。全部嘘。目に入った箱の名前をそれらしく言っただけ。ハセガワ君がそれの意味を聞くから私はその答えを必死に探しただけだよ。こんなのは全部嘘。こんなもの気にしなくていいよ』
そう言われて初めて
そりゃそうかと冷静になる。
こんなのは全部嘘だ。
だって個人情報は僕らには見えてるんだから。
こんな馬鹿馬鹿しい事に、使わなくていい時間を費やした事を後悔をする。
でも、さっちゃんは?
さっちゃんはどう思う?
残念だけどこれを疑う事などしないだろう。
心を許した男性から言われた言葉なのだから。
そんな風に思いながら、ようやく僕はこの先のメール履歴に目を通す。
さっちゃん
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
『【GREEN BOX=66】』
何も疑う事も無くこんな馬鹿げた10通のメールを西郷寺に送るさっちゃん。
そして
さっちゃん
『10通送ったよ。これで連絡先交換が出来るのかな?私の連絡先を西郷寺君に送ればいい?』
この後、計160通にも及ぶメールをさっちゃんが西郷寺に送ったという事実を知っている僕は
既にこの先の展開が想像できた。
僕が想像したのはとても残念な展開だが、どう考えてもこれは外れてはいないと思う。
凄く残念な展開なのだけど。
西郷寺
『ここまでは完璧。じゃあ次に【WHITE WATER=500】とだけ書いて20通送ってきて。』
やっぱりそうだ。
さっちゃん
『え?まだあるの?これで終わりじゃないの?』
西郷寺
『まだだよ。でもこれで連絡先交換が出来るのなら安いもんだろ?かかったお金は会えた時に僕が責任をもって返すし。とにかく今は連絡先交換を成功させる事だけを考えて。今止めたら最初の10通も全部無駄になっちゃうから』
さっちゃん
『分かった。西郷寺君を信じる。今からメールを送る為のポイントを購入してすぐに20通送るね』
想像したとおりさっちゃんは逃れようの無い負のレールに既に乗ってしまっていた。
終着点の無い負のレールに。