映画の感想「フォレスト・ガンプ」 | 記憶の欠片(ピース)

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病気がちで、甲斐性のないおっさんのブログ。
小説・ショートショートを書いていましたが、気力が失せたため、思い付きでいろんなことを書いています。

映画ファンなら誰でも知っているようなこの映画の感想を今わざわざ書くのは、なんだか気が引けるけれど、初めて観たので書いておきます。

 

まずちょっと驚いたのが、監督がロバート・ゼメキスだったこと。

この映画の宣伝では、ちょっとおもしろい特撮シーンが話題だったのを思い出し、「ああ、なるほど」という気がしました。

 

当たり前だけれど、トム・ハンクス、若い。

 

あとはそんなに他の人と大差の無い感想詩歌思い浮かびません。

けれど、なんとか知恵を絞って、少しひねった感想を書けないものかと考えて見ました。

 

始めの方でジェニーが、鳥になりたいとか羽が欲しいとか云うシーンがありますね。

人間は地上を二本足で歩いて、力もたいして強くないけれど頭脳が発達して繁栄しているわけですね。

そういう特徴は他の動物にもあるわけですね。

つまり、トラは大きな牙だとか鋭い爪なんかを持っていて、単純に戦えば人間は勝ち目がありません。

犬はものすごく鼻が効いて、足が速いとか、猿は木登りが上手くて、人間と比較されるような知能を持っている者がいたりします。

鳥は、羽があって空高くとか猛スピードでとか、飛べるという特殊な能力を持っています。

その代わり鳥は、人間ほど知能が高くありませんね。

 

ガンプさんはジェニーの云う鳥なのでしょう。

彼は知能が平均的な人間より低いという代わりに猛烈に足が速く、正直で誠実で、恐ろしいくらいに運がいいのです。

つまらないことでくよくよ悩まず、言われたことを言われたとおりに実行し、しかもやったことがほとんどマイナスに働かないのです。

「彼は知能が低いから、幸せの意味も不幸の意味もわからなくて、かわいそう」と思う人がいるかも知れませんが、私からすると、「そんなことは考えても答えの出ない問題。考えても無駄」なので、分からなくていいのです。

とにかくこの映画でガンプさんは、最初から最後まで、ほとんど「不当な理由による不幸を身に受けるシーン」が出て来ません。

彼の人生は、ほとんど「トントン拍子」なのです。

ただ、最大の不幸は「愛した女性に愛されなかった」ことでしょうか。

ジェニーという女性は、ガンプを好きだったけれど、恋愛の対象と思わなかった、ということでしょう。

恋愛ってそんなもんですよ。

いくら相手を愛しいと思っても、その分だけ相手もこちらを思ってくれることなんて、早々あることではないのです。

ガンプさんは、彼女を思い、ずっとずっと思い続けましたが、彼女はそういう風にガンプさんを思うことが出来なかったのです。

でも一度だけ彼に情けを掛けて一夜を共にしたら、(恐らく計算外で)妊娠してしまったのです。

そして彼女は、ガンプの子供を産みました。彼女自身が健康だったならば、恐らくガンプにそれらのことを連絡しないつもりだったのではないでしょうか。

けれど彼女は、自分が不治の病に侵されたことを知り、残される子供のためにやむを得ずガンプに連絡をして、子供を託したのです。

 

ジェニーが許せないという感想を持つ人はけっこういるんじゃ無いかと思いますが、ジェニーはむしろ、「飛ぼうとしたが、羽がなく、それでも最後まで飛ぼうとしてもがいて、自分が飛べる空を見つけられずに終わった哀れな女性」という気がします。

彼女がもしガンプを愛せていたら、当然だいぶ違った人生だったでしょう。

 

ラストシーンでは、ガンプはまだけっこう若いですね。

この先はどのように生きていったのでしょうか。

でもきっと、それほど悪くない人生であったと思えるのです。

息子を得て、中尉という親友がいるのですから。

 

 

余談

私は昔、若いときにパン屋さんで働いていたことがあります。

そこに中年の女性がパートに来ていました。Aさんとします。

Aさんには知能に障碍がある息子さんがいました。

Aさんはその息子さんの行く末のために、将来、息子一人になってもやっていけるようにパン職人にしたいと考えていました。

そして、出来れば、店を持たせて独立させたいとも云っていました。

 

私はしばらくして、Aさんがいた店を離れてしまいましたが、数年後にテレビの情報番組に、そのAさんが出ているのを見ました。

パン店を開いて、地元で愛されるお店になっていると云うことでした。

私は今回この映画を見てAさんを思い出しました。

Aさんは、自分の目標を果たして、息子さんにしっかり羽を授けたのだなと思います。

時が経ちましたけれど、その後も順調であったことを祈っています。