鎮静剤、集中治療室の2割が禁忌の子どもに投与 実態調査 
2014/7/14 5:00
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 東京女子医大病院で2歳男児が死亡した医療事故を受け、日本集中治療医学会が実施した鎮静剤プロポフォールの使用実態調査で、人工呼吸器を付けた子どもに同剤を使用している集中治療室(ICU)が約2割を占め、小児専門施設に限ると4割近くに上ることが13日、分かった。人工呼吸器を付けた子どもへの投与は「禁忌」とされているが、医療現場で順守されていない実情が浮かんだ。

 106施設が回答。子どもへの使用で、循環不全などが起きるプロポフォール注入症候群と呼ばれる重い副作用(疑い例を含む)を経験した施設も3カ所あった。

 添付文書の禁忌事項は投与を避けるべきケースを明示しているが、法的な拘束力はなく、患者の症状などに応じて医師の裁量で使用することはあるという。調査結果を重くみた同学会は日本麻酔科学会などと連携し、プロポフォールの禁忌使用にどの程度の医学的妥当性があるか検討する研究班をつくる。

 調査は4~5月に実施。日本集中治療医学会が専門医研修施設として認定しているICUと、小児専門のPICU計307施設にプロポフォールの使用状況を尋ね、106施設から回答を得た。

 禁忌の子どもに使用しているとしたのは20施設(19%)。PICUに限定すると、回答した19施設のうち7施設(37%)が使用していた。

 20施設のうち13施設は、投与する子どもの数について「年間5例以下」と答えた。親権者から同意書を取得しているのは3施設だけだった。子どもの年齢や体重で使用基準を決めているのは4施設、投与量の上限を定めているのは5施設だった。

 東京女子医大病院では2月、手術後にプロポフォールを投与された男児が死亡する医療事故が起きた。昨年までの5年間に禁忌の子ども63人に投与していたことも判明、厚生労働省が立ち入り検査して実態を調べている。

 ▼プロポフォール 手術時の全身麻酔や、術後管理時の鎮静などに使われる。効果が出るのが速く、投与をやめるとすぐに目が覚める特徴があるとされる。まれに起きる循環不全などの特有の重い副作用症状は「プロポフォール注入症候群」と呼ばれる。

〔共同〕


マスコミも手ぬるい記事で…

もっと掘り下げるべきでしょう。