黒帯

武士は、一人では育たない。


師がいて。
仲間がいて。
そして何より、
支え続ける家族がいる。

黒帯は、
本人だけの努力で
結ばれるものではない

雨の日も。

風の日も。

送り迎えを続け。

時には励まし。

時には叱り。

時には黙って見守り続ける。

その積み重ねが、
一本の黒帯を生み出す。

武門會には、
「継続力」
という教えがある。

継続できる子どもの背後には、
支えてくれる
親御さんの存在がある。

私たちは、
そのことを決して忘れない。

これは、
昇段者だけの式ではない。

長い年月、
子どもを信じ続けてくださった
親御さんへの感謝を
形にする場でもある。

加藤最高師範は、
日頃から
この黒帯は
親御さんに贈る帯だ
と仰っている。

子どもが
黒帯まで
歩み続けられたのは、

親御さんという
揺るぎない土台があったから。

武士は、
受けた恩を忘れない。

恩を知り。

恩に報い。

その心を
次の世代へ伝えていく。

それもまた、
武の道である。

十一月二十一日。

鹿島神宮武徳殿。


その神聖な場所で
結ばれる一本の黒帯には、
稽古の汗だけではない。

親御さんの愛情。

家族の支え。


そして、
歩んできた年月のすべてが
込められている。

私たちは、
その一本を、
心からの感謝とともに
お贈りしたい。

押忍