この、「愛姫」と次の「侍女成敗」の回は初めて見たとき大変面白かったのを覚えています。
というのも、西暦何年にこの戦とかそのような描写はなく、ただ米沢のおうちのことだけで話がすすむので(しかも人間関係のゴタゴタで)歴史に疎くても楽しめたんだと思います。
でも、最初だけ説明。
天正7年(1579)、政宗13歳、愛姫11歳。
11月28日、伊達家に輿入れし、祝言をあげるため愛姫の一行は米沢へ出発した(とナレーション)
嫡男は祝言の日までわかってるのか、スゴイさすが、と思いました。
成実と小十郎はいつのまにかヨメがいたもんね。
輝宗は婚礼の前に部下たちを集めて異動の申し渡しをします。
喜多を愛姫の守役に、縫殿助と(粟野)藤八郎・とうはちろうは竺丸の傅役。
この二人はいずれ国分に一緒に行くことになるからね、と。
そして創作人物の山家国頼は輝宗の旗本に。
小十郎は今まで通り政宗の傅役、嫁をもらったからといって遠慮しなくていいから政宗鍛えてねと。
ヨメ!!
小十郎、現在23歳。ヨメもらっていたのね。
いつの間に…。
と思ったら、カンチガイ。
政宗がヨメをもらったけど遠慮するなということだったのね。
でも成実のときの方がもっと”いつの間に…”だったけど。
この本によると、成実は19歳のときに亘理重宗の娘を娶るとあります。
話は戻って、政宗の婚礼。
まずは両家の顔合わせ…って現代ならなるとこだろうけど、ここは伊達家。若干11歳の姫が輝宗に挨拶をします。侍女は廊下で待機。
上座側に伊達実元、亘理元宗、村田宗殖。
ここは晴宗の兄弟席。
その反対側に留守政景、国分盛重、小梁川盛宗。
小梁川盛宗ってただの家臣なのに直垂着てる、なんでと思ったら。
輝宗の妹と結婚したからなのね、義理の弟。だからここに座ってるんだと納得。
ここは輝宗の兄弟席。
愛姫が、後藤久美子でそれはもう美しい。
声も可愛らしいのです。一通り挨拶が終わって、いざ政宗と対面。
政宗と、お東の方、さらに喜多まで微妙な空気になります。
この意味がわからなくて(アホ)、一緒に見ていた家族に「え、どうしたの。この微妙な空気なんで」と聞いてしまいました。
愛姫が政宗の右目に驚いたから、そしてその戸惑った様子にお東と喜多は心配したから、だって。
ああ、それね!
全然思い至らなかったです。
(政宗のことどうでもいいわけじゃないよ)
そして宴が始まり、遠くの方でその喧騒を聞きながら喜多は愛姫に今後の説明をします。
この棟は婚礼のために用意されたものだから、そして明日は忙しいから今日はゆっくり休んでね、と。愛姫は静かに頷きます。
すると、そばに控えていた村岡がすかさず口をはさみます。姫の守役は自分だと。
愛姫は三春から村岡と若い二人の侍女を伴ってきていました。
この村岡が、まぁ喜多とことごとく対立するわけです。
このあたり、現代でもすごく共感できる感じなのです。
昔からの重鎮で無下にはできない、でも新しいやり方にいちいち反論して反対されて仕事やりにくいったらない、みたいな。
喜多はもちろん堂々と対峙します、「それは違う」とハッキリと言います!(見習いたい)
目障りな…と聞こえるように言われた陰口には「お黙りなさい!」と間髪入れずに毅然とした態度(かっこいい)
こんな感じで初日から、三春の侍女と喜多はバトルです。
愛姫は何も言わず、何も見てないフリのような、なんでしょう。自分が何か言う立場ではないとわかっているかのような、そんな感じです。
愛姫の部屋にまで漏れ聞こえてきていた宴はこんな感じ。
輝宗と基信、佐月が親しく酒を飲んでいて、
別の席では晴宗兄弟でおしゃべり。
実元3男、亘理12男、村田宗殖6男、小梁川もここに混じって給仕が一人ついてます。
こっちは輝宗の兄弟グループ、留守政景3男、国分盛重5男。
ここでお東の方、登場。
小声で国分にイヤミを言います。
自分の力で家臣を束ねられないのは情けない、武門の恥辱ですぞとまで。
そのせいでお竺は国分に養子に出されるわけですから、嫌味の一つもいいたくなるよね。
で、そう言われた国分は笑ってごまかすのです。
これ、これも伏線っていうのかね。
国分盛重のあまり優秀でない感じ、そしてお東にそんなこと言われてもヘラヘラしてる感じ。
そう思ってこの人を注意して見ていると、これからおもしろそうです。
そして下座の本当に隅っこに、小十郎と国頼が静かにお膳のごはんを食べてます。最近小十郎の声聞いてないよくらい、セリフのない未来の伊達三傑。
次の日、政宗は愛姫に引き出物をあげます。
輪島のままごとセット、みたいです。
それを伝え聞いたお東は、子供っぽい祝いの品にあきれます。
輝宗は豪快に笑って、よいではないかと。愛姫もたいそう喜んでたらしいからと。
ここで気になったのは、政宗は自分の一存でお買い物ができるんだと。
元服してるからね、もうそこらへんは自由なのかな。
他にも自由にできることは多そうです。その分とんでもない責任も負ってるけどね。
そしてまた喜多と村岡のバトル。
村岡と若い侍女、ほんっとに憎たらしい。
さすがの喜多も、口でやり込められることもしばしば。
それはお東の耳にももちろん入ってて、
縫殿助に獅子身中(しししんちゅう)の虫とまで言われたりしてます。
※獅子身中の虫…内部にいながら害をもたらすもの
それはさておき、輝宗は夜遅くにみんなを集めて会議。どうでもいいけど、会議終了の言葉が「大儀であった」なのいいね。
メンバーは実元、亘理、留守、小梁川、小十郎と左馬助。
もちろん基信と佐月も。
お東の父が危篤で、遺言あるからすぐに来て欲しいとのこと。
舅の死出の旅路を見送るのはいいんだけど、あの最上義光の領内だから。罠かもと佐月なんかは相手にしません。
義光はあんなだけど、その父親は誠実な頼れる人だと輝宗は言います。
なのでお東はもちろん、自分も行くと。
留守政景は心配して止めるんだけど、どうしても行くなら自分も一緒に行くと言ってききません。
そこで輝宗の決断はこんな感じ。
政宗はしっかと聞いてます。
「留守政景は残れ、もし自分に何かあったら政宗に家督を継がせて最上を討ち取れ」
輝宗(37)と義光(35)、この二人は好敵手とナレーションが入ります。
私的には、服の趣味がいいライバル。
義光はなんというか、派手。水色、黄色、緑地の金糸の入った着物。お殿様という感じ(いや実際そうなんだけど)
対して輝宗はシックでかっこいい。伊達って感じ(そうなんだけど)
義光は40騎の兵を用意してたんだけど、輝宗(というか部下が用意した)500騎の兵を前に今回はケンカにならんと諦めます。
殺ろうとしてた…。このドラマでの悪役っぷりがすごいです。
そして場面はまたもや侍女バトル。
ついに喜多は村岡たちに三春へ帰れと言い放ちます。
輝宗の名代として任されてるので。もうこれはどうにもできないと思い切ります。
現代だったらクビ、社長権限で明日の朝5時から7時の間までに去れ、でしょうかね。
どうなるのかと思うと、村岡にチャンスが訪れます。
若君様、政宗が小十郎と共にやってきて笛と太鼓を聞かせてあげるというのです。
この時点で村岡は何も言うつもりなかったのかもしれないけれど(そのまま居座るつもりだったみたいだから)愛姫がしくしく泣き出して、それについて伊達の人たちは「?」みたいな感じだったので、もっと愛姫の寂しさわかってよ気遣ってよという気持ちから、つい喜多に言われたことを政宗に伝えます。というか言いつけます。
小十郎は冷静に、それは村岡たちが悪いから帰れなんて言われるんだと相手にしません。
政宗は…関係ないけどこのとき自分のこと”わたし”って言ってる。
ティーン政宗は大人になろうとがんばってる感じが好ましい。
そう、それで村岡はこんなとこに姫を置いとけない、連れて帰ると言われて、若さま怒り心頭です。
小十郎に至っては、「なにぃ?」と語尾が上がっちゃうくらい、裏返っちゃうくらい驚き呆れます。小十郎の声が裏返るなんてそんなないよ。
愛姫を連れて帰るなんて、ダメぜったいな政宗は「許すこと、あいならん。そこへなおれ、成敗いたす」
と短刀振りかざして、村岡斬ろうとします。その腕を小十郎につかまれて止められます。
政宗は小十郎を睨み返して、放せと力任せになんとか刀を振り下ろそうとしつつ、小十郎は「若」と諭すような若いなぁそんなに熱くなっちゃって、なんて感じです。
喜多の方はもう必死。どうかこの場は喜多にあずけてくださいと平服します。
ど、どうなっちゃうの??
というところで、つづく。
昼ドラみたいに続きが無性に気になるところで終わってしまいました。
今でいうところの、次回を正座待機!
政宗が13歳で愛姫と婚礼してる年、成実は12歳で大森城て元服してました。
ドラマではちょっとも触れられてないけどね。