第22章 安全へのドレーン交換
『2月17日(火曜日)』(1/3)
朝、私はゆっくり目を開けた。
まず確認するのは体温。
昨日も熱はなかった。ありがたい。左下腹部の違和感は、まだある。でも、前よりはずっと小さい。痛みが“主役”を降りて、“エキストラ”に回った感じだ。
外科病棟の朝は比較的早い。総合病院の白い廊下に、いつもの足音が近づいてきた。主治医だけなら最近は足音で判断がつくようになってきた。やはり主治医だ。「昨日も熱はなかったんですね」
「おはようございます。昨日も熱は無かったです。左下腹部は……違和感が少し。以前よりはましです」
私は言いながら、主治医の顔色をうかがっていた。「CT撮りましょうか。」
おっと、急展開だ。予約してないはずだけど大丈夫なのかな、と疑問が浮かぶ。そして私は質問をぶつけた。「先生、CTはいつでしょうか?」
先生は、軽く頷いてから言った。「緊急でお願いするので……午前中になるかと……」
午前中。よし。午前中っていう言葉には、曖昧さも含まれているけど、少なくとも“今日中”という安心がある。「それから、今日のCTをじっくり見てからドレーンをどうするか考えましょうか」
先生はそれ以上、余計なことを言わなかった。言わないからこそ、私は勝手に読んでしまう。「じっくり」か…。じっくりとは、放射線科医が所見をつけたのを確認してからという意味なのか。それなら、おおよそ総合病院では放射線科医は夕方、仕事が片付きだしてから所見をつけてくれるのが常だ。あるいは外科のカンファレンスに私の画像を提示して、みんなでじっくり考えてくれるのだろうか。あれこれ考えていると、30分もしないうちにCT検査に呼ばれた。今日は自らの足で、点滴台を押して歩いて検査に行こう。放射線科の受付を済ませ、CT検査室の前で待っていると、ストレッチャーで運ばれたあの日のことが、頭をよぎる。検査室の前で意識がなくなった、あの瞬間。