オニュのアルバム
発売日から一夜あけて

田舎道を颯爽と歩く女性に会った。

通勤道で
私が一番好きな景色の辺り。

春には春の色
夏には夏の色
そして秋には秋の風が吹く景色。

彼女は
イヤフォンを何度も直して
音楽と一緒に
寒空の下を歩いていた。



何となく印象的で
じっと見てしまった。




そして、
私はみつけてしまった。
カバンに揺れる
パールアクアグリーン。







一夜明けた今日。
私は再び彼女を見つけた。

絡まったイヤフォンを直しながら
やっぱり颯爽と歩いていた。

もしかしたら
毎朝出会っていたのかもしれないけれど
私は車で
彼女は徒歩で。

すれ違うけど
交わらない。

声をかけたら…
私たちの関係は変わるのかな?

でも車を止めることもできず
彼女も颯爽と歩き
お互い今日も仕事に向かう。

いつもの日常。

声をかけることも
会話をすることもない間柄だけど
なんとなくつながってる気がする。

彼女の存在に気づいた喜び。
そしてそんな彼女が
きっと各地に
いや、世界中にいるよね。


そんな朝。


みんな
空見上げたり
イヤフォンを直したり
トーストを焼いたり
車を運転したり
電車に揺られたり
雑草を抜いたり
コーヒーをひいたり
勉強をしたり

日常を過ごしながら
きっと想ってるね。


温かく寂しく。