ボブとニックの旅物語

  ファレノプシス ④



ボブはほとんど 眠りについていた。そして、あたりのざわつきは、激しくなっていた。

看護師は笑みを浮かべていたが、徐々に変わって行った。そこに

「ボブ!!!」ニックと、看護師の目が合った。と その瞬間 その看護師は、恐ろしい顔に変っていき、羽が生えて来て 形が変わっていった。そして、あたりのざわつきは 一層の激しさを増していった。

そしてジャングルの木の間から無数の蛾が飛び出して暗くなった。看護師はもはや 蛾の巨大な化け物になっていた。おぞましい風景になり、ニックは立ちすくんでいたが、

ボブは、もう夢の中で動かない。

いよいよ終わりか ボブは蛾の化け物に抱えあげられ連れて行かれそうだ。

ニックはマッチを点けた。

明るくして、持ってきた花びらを燃やした。

そしてあたりの木や、コチョウラン(ファレノプシス)に火を点けた。
蛾達が、苦しみ羽ばたきバタバタと消えていく。

化け物の蛾も、苦しみだしてボブを放り出した。

苦しみもがき化け物は消えていった。



気がつけば あたりは明るくなり うっそうとしたジャングルはなくなっていた。

そして、ボブは目が覚めた。

「なにかあったのか??」

ニックは一部始終を話した。

そしてボブは、ポッケを探り 花を取り出した。もう美しくはなく、黒ずんでいた。

「これが原因だったのか」

「それを取られたと思い 怒りだしたんだろうな」

二人はしばらく 花を見つめた。

そして元気を取り戻して ジャングルは避けて 草の道を歩き始めた。

しばらくして、ポツンと教会が建っていた。

そこでは、結婚式が行われており 

今まさに花嫁が、ブーケを投げた。

二人の目の前に落ちた真っ白なブーケはまさしく、

ファレノプシス{清純}で出来ていた。

「ギェェー」 二人は逃げ出した。

教会のそばでは汚ねえじじいが、ニコリとしながら、「蛾に似ておるから、ファレノプシスと言うんじゃよ ハハハ」





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