ボブとニックの旅物語

  ファレノプシス ③


「なあ看護師さんよう、わざわざ俺を探してくれたんだろう? そしてここは、楽園かあ どこだあ?どこでもいいかあ、幸せ気分だなあ おいらをどうするんだあ」

ルームサービスのジュースはお酒だったのか 何か入っていたのか ボブは、最上気分だ。

「いいえ、あなたが盗んだものを、取り返しに 私達が来たのよ。そしてあなたのしたことへの、復讐を今からするだけよ。あなたはもう、ここで終わりなのよ、分かる?」

「そうなのかぁ そりゃすまなかったねぇ、

でもいいよ、あんたの膝の上で死ねるなら本望だぁ 何だか悪いものが全部抜けちゃって 心や体が綺麗になっていくようだよ」



ニックは 通りへ出て 屋台で聞きまくった。すると、皆冷たそうに答えた。この辺りは、コチョウラン(ファレノプシス)が、わしらの神様だ。抜いたり持ち帰ろうものなら、命の保証はない、と。

あのジャングルで何かあったのだろうか?

ニックは 一応病院へも行った。

そして病院の入り口にいる 汚なえじじいに聞いた。すると、

「ジャングルに向かうと良い。後は明るくなる物も必要だな。すぐに、真っ暗になる。

急がんと お主の相方は危険じゃな」

ニックはポッケのマッチを確認して、ジャングルへと向かった。

ニックがジャングルの中に入った時には、街も屋台も病院も消えていた。

「ボブ!どこだ!ボブ!」

ニックは叫んで探し続けた。





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