ボブとニックの旅物語

   オドントグロッサム ①


「ようやく来たぞぉ アンデスゥ!!!!」

「うるさいよ」

叫ぶボブに、ニックがたしなめる。

「ようニック、俺はここで考えがある

ここでしたい事があるんだ」

「何だ、改まって。何がしたいんだ?」

「聞いて驚くなあ!  結婚だぁ 結婚!!」

「はぁ」

ニックにとって、呆れる以外の事は出来なかった。

「ここでだ、俺は運命の人を見つけるのさ。

どうだ、お前には出来ないだろ ハッハッハ」

「そうだな 俺には絶対出来ないな。

こんな、崖だらけの山肌を見て、そんなことを考える勇気がないね」

「だめだな お前は。見える物は見える物、見えない物は見えない物」

当たり前すぎて、ニックには理解できない。

「あのな、お前。この崖を越えてみろ。とんでもない綺麗な街に、とんでもない屋敷の とびっきりの美女がいる・・・ かもしれないと感じないのか お前には。どんだけショボい想像力なんだ 全く」

もはや ニックは返す言葉もない。

「とにかく行こうぜ」

ボブは進んでいき、呆れながらもしょうがなく ニックは後に続いた。




Kドリームスへ


Kドリームス会員登録はこちら