ボブとニックの旅物語
シクラメン ②
「すいやせ~ん だれかいますか」ボブが大きな声で叫ぶと 中から一人の男が出てきた。
「やあ どうしました?」
「すみません突然、私はニック、こいつは、ボブ。どうやら道に迷ったらしく、ここが、何処だか分からなくて」
「そうですか、私はスティーヴ。とりあえず、中で落ち着いてはいかがですか?」
「そりゃありがてえ 遠慮なく休ませてもらうよ。もうクタクタで」
ボブは、奥のテーブルの椅子にドカッと腰かけた。
「お酒は大丈夫ですか?」
「もちろんだとも」
スティーヴは、ワインを持ってきて
二人に振る舞った。
「ところで、あんた かみさんは?」
「ボブ!」さえぎるように、ニックが言った。
スティーヴは、しばらく沈黙して、静かに
喋りだした。