マイリトル ~傷つかない生き物~


真田は、周囲を見渡した。

「何だ!何なんだ!一体どうなってる!」

人と人が重なり合い、ほとんどが、もはや動けない状態になっている。

真田が見た かつてない、おぞましい光景であった。



「ねえ、何か今日暗くない?」

明子は、気付いたままの感想を述べた。

「まあそうだな、言われてみればそうだな」

(雨が降る予報はでてなかったのにな。急に暗くなってきたような気がするな)真田は、そんな事を考えながら、明子を見る。

土曜の夕方、ブランドショップが並ぶこの通りを、明子と二人で歩く。幸せいっぱいとまで言わないが、穏やかな時間である。

通りを歩いている人が、みなそう見える。

そして・・・・・   一瞬だった。

光と爆音で、吹き飛ばされた。

何も見えなかった。








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