マイリトル ~傷つかない生き物~
②
真田は、周囲を見渡した。
「何だ!何なんだ!一体どうなってる!」
人と人が重なり合い、ほとんどが、もはや動けない状態になっている。
真田が見た かつてない、おぞましい光景であった。
「ねえ、何か今日暗くない?」
明子は、気付いたままの感想を述べた。
「まあそうだな、言われてみればそうだな」
(雨が降る予報はでてなかったのにな。急に暗くなってきたような気がするな)真田は、そんな事を考えながら、明子を見る。
土曜の夕方、ブランドショップが並ぶこの通りを、明子と二人で歩く。幸せいっぱいとまで言わないが、穏やかな時間である。
通りを歩いている人が、みなそう見える。
そして・・・・・ 一瞬だった。
光と爆音で、吹き飛ばされた。
何も見えなかった。