ボブとニックの旅物語
シャコバサボテン ⑤
「早く服を着ろ! 窓から逃げるんだ」
ニックは、叫びながら、窓をぶち破った。
ボブもパンツをはくのに 手まどいながら
後に続いた。
追ってくるのは、四つん這いになった
奇妙な生き物で、尾のトゲで向かってきた。
ニック達は間一髪でかわしながら、村の入り口に近づいた。
「早く出るんだ!」ニックが叫び、二人で入り口の門を飛び抜けた。
すると奇妙な生き物たちは、もう追ってこれなくなった。
息を切らしながら 二人は顔を見合わせ 振り返らずに立ち上がった。
すると、声がした。
「危なかったのう」
あの汚いじじいだった。