ボブとニックの旅物語
シャコバサボテン ④
「ハハ、そりゃそうだ。じゃあもうちょっと待っててくれ。それにしてもいい匂いだな。
海の香りがするよ」
「海の香りがいい匂いなのか? 全く変わり物だな」ニックはそう言いながら いやな感じがしていた。
部屋で待っていると 次々に食べ物が運ばれてきた。しかしどれも、海の物で魚や貝類ばかりだ。海からそんなに近いのか?
ニックは危険な胸騒ぎが止まらない。
ブラジルの雪、黒過ぎる目、そして薄着の住人達、海の香りや食べ物・・・・
「ぎゃああああ、」
「どうしたボブ!!」
「トゲが、トゲがバスの中から出てきやがったぁ」ボブは血だらけだ。だが本人が痛がるほどではない小さなしょぼい傷だ。
しかし、気持ちよく湯につかってて、バスタブのなかからトゲがでてくりゃビックリするだろう。