ボブとニックの旅物語 

     シャコバサボテン  ③                      


「なるほど そりゃそうだ。いやあ気持ちいいねえ」
ニックは尋ねた。

「きれいな所に連れて来てもらったのは、ありがたいのですが、俺達 お金がないんです」

男は、フロント女性をちらっと見て言った。

「いいえ、かまいません。困っている人たちを手助けするのが、私たちの役目ですので」

男は黒い目をキラリとして、女性に向かって

「部屋にご案内して、暖かい物を、お出しして」と言った。

フロント女性はすぐに 手続きしてキーを持って案内してくれた。

早速 ボブは、湯をためてバスタブに入った。

「ひやあ、きもちいい!」{最後?の}至福の瞬間かもしれない。

「おい、ニック おめえも入れよ」

「入るのはいいけど まずお前が出ろよ。

おまえと抱き合って湯に入るのは死んでもごめんだ」  




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