ボブとニックの旅物語 

     シャコバサボテン  


村には、結構な人が歩いていた。

気になるのは、薄着で南米の人とは思えない

顔立ちである。

ボブは、紳士風の人に話しかけた。

「おい、兄さん、俺達 よそ者だけど、金もなくて寒くて 腹も減って困ってんだよ。誰か助けてくれる人いねえかな?」 

とても頼みごとをする口調ではない。

「そうですか、では私がご案内しましょう。

ついて来て下さい」その男は、あっさりと言った。ニックは、彼のやけに黒い目が気になった。

連れて行かれたのは、小さな宿屋である。

そして、フロントの女性もまた 気になるほどの黒い目をしていた。

しかし建物の中はきれいに赤や青や黄できれいに装飾されていた。

「いやあ、暖っけえし、きれいだねえ」

ボブが言うと、男が答えた。

「もうすぐクリスマスですからね」






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