ボブとニックの旅物語
シャコバサボテン ②
村には、結構な人が歩いていた。
気になるのは、薄着で南米の人とは思えない
顔立ちである。
ボブは、紳士風の人に話しかけた。
「おい、兄さん、俺達 よそ者だけど、金もなくて寒くて 腹も減って困ってんだよ。誰か助けてくれる人いねえかな?」
とても頼みごとをする口調ではない。
「そうですか、では私がご案内しましょう。
ついて来て下さい」その男は、あっさりと言った。ニックは、彼のやけに黒い目が気になった。
連れて行かれたのは、小さな宿屋である。
そして、フロントの女性もまた 気になるほどの黒い目をしていた。
しかし建物の中はきれいに赤や青や黄できれいに装飾されていた。
「いやあ、暖っけえし、きれいだねえ」
ボブが言うと、男が答えた。
「もうすぐクリスマスですからね」