続きです。
2分割では足りなかった・・・
選択するうえで無視できない大きなファクターに医療費がある。
一般的な条件下で
ペン+SMBG ¥9,501
ペン+リブレ ¥9,501
CSII+リブレ(SMBG) ¥18,000
ペン+CGM ¥19,401
CSII+CGM ¥27,900
SAP ¥30,000
お金に余裕があるならSAP、CGMなどの選択も
1型糖尿病の治療にあたって何か1つだけ注意点を選べと言われたら「重症低血糖を起こさないでください」だと思っています。
低血糖と重症低血糖は別物。重症低血糖は血糖値60mg/dlで自力で対応できない症状を言う。
まずは無自覚低血糖を無くす。低血糖に気づけるようにする。気づけばそれで良い。無自覚低血糖がある人は徹底的に70以下にしないことを2週間がんばると体が低血糖に気づけるようになる。
うっかりを無くすこと。
~先生の体験談~
久しぶりの休日に家族と軽井沢へ。普段より歩いたりもしていた。夕飯前に補食もせず、測定もせずウトウトしてしまいそのまま低血糖で気を失う。家族の話では歯を食いしばって起こしても反応しない。
娘さんが必死にグルコースを口に入れてくれて気づいたら即席のラーメンを食べていた。
これは失敗談だが、振り返る事が大事。
普段の喧騒と違いとてもリラックスしてインスリンが効きやすい状態だったうえに、散歩で体も動かしていた。
美味しい夕飯が楽しみでお腹を空かせて行きたかったので補食も取らなかったうえに測定もしなかった。
「当たり前に事を当たり前にする」少なくとも血糖測定をしておけば重症低血糖までは至らなかったはず。
また、家族のサポートも大切。よく見てもらえているということ。家族が顔色などで気づいてくれる状況で助かっている。
できれば職場の人や同級生にも知ってもらっておいた方がいざというときに良い。
○3つのキーワード
①基礎レートパターン 夜間低血糖は?朝の血糖値は?
②インスリン効果値 インスリン1単位(U)で血糖はどれくらい下がりますか?
③糖質比 コンビニのおにぎりを食べる時インスリンは何単位打ちますか?
① 基礎レートパターン
まずは夜間低血糖を避け、朝の血糖値を上げない基礎インスリン量を見つける。ただし体調、運動、生活の変化等様々な理由で基礎インスリン量は変化するものと心得ておく。
朝の高血糖は3パターン。
① 夕食後高血糖からの持続
② ソモジー効果
③ 暁現象
① は夕飯時の計算が何か合わなかったのであろう。眠前のSMBGで対応可能
② は就寝後低血糖を起こしその反動で朝高血糖になっている。基礎インスリン量が多い場合が多い。
③ は就寝中に低血糖は起こさないものの朝にかけてじわじわ上がってくる現象で再現性があるもの。
ポンプで明け方のベーサルを上げるなどの対応がある。
朝は体を起こすために色んなホルモンが分泌される。血糖を上げる効果のあるものとしてはコルチゾール、アドレナリンそれに成長ホルモンがある。成長ホルモンは出始めから3時間程度で血糖上昇が起こり、就寝時に出る。子供が夜更かししていはいけないのは、成長ホルモンが出なくなるから。
起床時の高血糖はある程度仕方がない。朝食でしっかり調整する。
基礎の量が合っているかは絶食試験で調べられる。例えば夕食後就寝して朝食を摂らず次の食事の時に正常値であれば基礎の量は合っていると言える。下がっていたら多すぎだし、上がっていたらその逆。ただし、血糖変動のファクターは多いのでそもそもコントロールはうまく行かない物。健常者と同じようにという訳にはいかないと思っていた方が気は楽だと思う。
もう少しだけ続く