小学校の5年生の時に相模原市から転校してきた村田恭子。目がパッチリとしていて、一言で表現すれば『可愛くて綺麗』。というより可愛い過ぎるので男は誰も話し掛けないし近づかない。その時、同じクラスだった遠藤剛史は彼女に対して何とも思っていなかったという。時が経過すると自然の成り行きか必然なのかは解らないが…中学一年の時に二人は恋人同士になっていた。遠藤は本来『面食い』だと自ら告白している。…しかし釣り合いという概念を捨てきれずに二年生の秋に別れている。
そして復活は三年生スタート時。ただ何となくの再起であって、単なる夢心地を体感しているだけ…。

自分自身が勝手に舞い上がっているだけの進行はつじつまの合わない毎日。春、スタートと同時に起きた妊娠騒動も予測範囲であり、周りも冷めた対応であった。冷めた対応の原因は彼女の節操の無さ。村田が一体誰の事が好きなのかが、周りの人間が解らない程。男とのやり取りが巧妙であり、一貫性がない。旬な人物に寄り添う姿はあまりにも醜く映り…節操ない。所謂八方美人タイプ。『私はこの人の事を知っていて、ここまで仲がいい』という心持ちをアピール姿は情けない。遠藤曰く『それが1番の火種』と明かし、15の決断にせまる。TVのドラマじゃあるまいし、子供が出来ました…じゃあ産みます…育てますと事がすんなりと運ぶなら苦悩しない。それを本人達が理解していない。別離はありのままにやって来て何も無かったように過ぎ去ってゆく。

胸一杯の傷口を村田は隠しながら今日も廊下で遠藤とすれ違う。薄れてゆくあの時を想い出と証し、今日もその時旬な人物に寄り添う姿が歯痒い。

遠藤にも心ない言葉が浴びせられるが、当たり前。

誕生した子供は誕生せず
無情にも別離する。
その事に何故と想った時、本当の別れがやって来る。
その瞬間が1番苦しい。

理想はいつも1ピース足りない。