人には許せる範囲というモノがあるらしい。人それぞれなんだよという妥協案は一度破棄をして、長時間に渡る舌戦を繰り広げたい。
仲間内での舌戦は幾度となく笑いに包まれる。否定もするが賛同も当然のように沸き上がる。どこから拾ってきたのかは不明だが正木が言う。『エジプトの古い時代でも、今頃の若い奴は…って愚痴にも取れる文章が壁画に書かれとる』…これには一同大笑い。ホンマか!?の大合唱。しかし内容に害はないので許容範囲。個人的に…と佐々木が言い出した。『嘘は絶対に必要』…この発言に意見が割れた。嘘はいけない派と嘘は必要派。

正直に素直に生きていくのが筋なら嘘はいけん!
いや、嘘も方便というぐらいじゃけぇ必要!

必要派は、どうせ疑われるぐらいなら始めから嘘をついて相手を納得させてやる。相手がどんな答えを望んでいるのかを察知してその通りの答え…嘘をついてやる。
否定派は、真実を出してそこから探し出す行為が必要。諦めた言動にしか過ぎない。

田中がいうには…『真実を言った所で相手は信用しないじゃないか!そんな奴に正直にはなれない。どうせそんな奴の心の中では違うストーリーを考えたりしとる。そんな奴と向き合うのがアホくさい!』

平田は『そういう事を言うから信用されない。半面、お前は自分自身に自信がないだけ』

リキは『ワシ、この前1年の奴にボールぶつけられて痛かったけど…大丈夫じゃってゆうた…あれも嘘か?』

俺は『嘘をつけない奴を見てみたい。一度ぐらいはあるだろ…病気じゃあるまいし』

確かに居る。
『私、嘘つけないんだよねぇ…』という大嘘をついている人間。俺はその人に『うん解るよ…』と嘘をつく。その人は安心する…俺がついた嘘によって…安心する。