冷泉帝との結婚が決まった秋好ちゃんの所に、兄さん上皇は「伊勢に行く時に送った櫛の呪いで、二人は結ばれないのかなぁ」と未練がましいメールを送って来ました。

メイド達からその話を聞いた光くんは(俺だったら、周りの思惑なんか無視して奪っちゃうけどな)と思いながら、秋好ちゃんには「これには返事してあげてね」とアドバイスします。
秋好ちゃんは「お別れの時より、帰って来た今の方が悲しく想われます」と思わせ振りな返信をしました。

一方、冷泉帝は年の差を気にしていました。冷泉帝は元服まもないお年頃、秋好ちゃんは伊勢で長いこと巫女さんをやっていたので、かなり年上です。
結婚したのはいいが、「あら、お子ちゃまね?」みたいな扱いを受けたらどうしようか?と心配なのです。

さて、いよいよ結婚の夜。緊張しながら、秋好ちゃんの顔を見た冷泉帝は、ほっと一安心。お母さんの六条姉さんは美しき貴婦人でしたが、実は秋好ちゃんは童顔の美少女でした。華奢なので、中学生と言っても通ります。
「良かったぁ、母様から大人の女性だから恥ずかしくないようにね。って言われてたんだけど、秋好ちゃん、とっても可愛いよ」
「私、おっぱいちっちゃくて。子供っぽいので。おイヤでした?」と秋好ちゃん、少し拗ねて見せます。
「ううん、そんなことないよ。秋好ちゃんはそのままで、ステキだよ」光くんの血筋だけにフォローもすぐに出て来ます。

冷泉帝は既に複数のお妃様がいるので、経験済ですし、秋好ちゃんも見た目はロリでも中身は大人ですから、初夜はスムースに行きました。
ライバルのヤンキー兄やんとこの小娘、弘美ちゃんよりも対応も大人です。

まずは順調な滑り出しですが、冷泉帝も真面目なので、秋好ちゃんと弘美ちゃんが偏らないように接しています。

ところで、冷泉帝は絵が好きなのですが、秋好ちゃんは伊勢にいる頃から、イラストを描く趣味があったので、共通の趣味を通じて仲良くなっていきました。弘美ちゃんは絵の趣味はないんですが、年が近いので、ボードゲームとかで遊ぶことが多い様です。

報告を受けたヤンキー兄やんは、(光のヤツに負けるのは納得いかねぇな)と、マンガ(絵巻物)作家を集めて、新作を描かせたり、自宅に伝わる旧作を弘美ちゃんの所に持ち込んで、冷泉帝を弘美ちゃんの部屋に留める作戦に出ました。

光くんも何か良いものはないかと、自宅を探して見ますが、何しろ光くんは天皇の息子で、新たに独立して一家を構えたので、先祖伝来の旧作はなく、自宅にあるのは貰い物か、光くんの趣味で集めたマンガなので、成人向けのモノしかありません。
紫ちゃんと相談しながら、「ちょっと、これは...。若い夫婦には向かないなぁ」「とは言え、兄やんに対抗してにマンガ家を囲って描かせるのもなぁ」と困っていました。

【教訓】兄さん上皇ですが、相変わらず、未練がましい割りに行動力に欠けます。中途半端な思わせ振りなメッセージだけ送って、会おうとしないのは出会い系においてもチキン野郎ですね。