※後日談を書くのを忘れていましたので、末尾に追加しました。

 

以下のことは書くかどうかためらいましたが、次に乗っていただく方にお伝えしなければと思い、詳しく書くことにしました。

 

一年旅中にいすゞから12か月法定点検のお知らせが届き、帯広あたりにいましたので釧路のいすゞに予約をして法定点検を受けました。

 

その結果、車両そのものには異常はなかったのですが、バンテックがベース車両を改造した部分に不具合がありました。

 

何と前輪のショックアブソーバーが固定されていませんでした。

 

正確にはショックアブソーバーの片側を固定しているはずの金具やゴムブッシュ、ナットがきれいさっぱりなく、ショックアブソーバーがプランプランしていてなんの役割も果たしていないのです。

 

それも左右とも。

 

 

いすゞさんが撮ってくれた写真(私には上下左右が分かりません)

 

 

 

 

私はクルマに詳しくないのですが、ショックアブソーバーとはサスペンションが路面の衝撃を吸収した後、サスペンションの揺れを止めるためのダンパーで、これがないとクルマは常にサスペンションのバネで揺れ続け、乗り心地が悪くなるだけでなく、走る・曲がる・止まるという走行性能にも影響を及ぼすとのことです。

 

ショックアブソーバーが効いていなくても即危険ということではなさそうですが、トランポリンでタイミングが合うと思ったよりもジャンプしてしまうように、路面状態が連続して悪い場合はコントロールがしづらくなるでしょう。

 

確かに、去年「CRUISEの乗り心地と走行性能」で書いたように、このクルマは納車時からピッチが激しく、一度揺れ出すとバネが何往復かして元に戻るまでは揺れ続けます。

 

それでもトラックを持ったことのない私は、トラックとはこんなものなんだろうと女房と度々話し、すごいスピードで疾走していく大型トラックを尊敬の眼差しで見送っていました。

 

しかし、まさかショックアブソーバーが外れていたとは・・・

 

CRUISEはバンテックの標準仕様として、いすゞ純正のショックアブソーバーをモンロー製に初めから替えてありますので、いすゞでは直せず、いすゞの保証も効きませんので、とりあえず他の部品で応急処置をしてもらいました。

 

早速バンテックさんに連絡し、上の写真を送ると、すぐに部品を取り寄せて修理するとのこと。

 

それにしても、いったい留め具はいつ脱落したんだろう。

 

乗り心地は納車以来変わっていませんし、左右が同時に外れるということは確率的に考えられず、左右どっちかが外れればいくら鈍感な私でも気づくはずですので、私自身は初めからついていなかったのではないかと思っています。

 

しかし、バンテックさんによると、このショックアブソーバーは取り付けの工程上、両端を一度に取り付け、片側を取り付け忘れるというのは考えづらいので、北海道の悪路で外れたのではないかということです。

 

実は釧路のいすゞの検査担当者の方が、以前に同じCRUISEでショックが外れたクルマを見たとのことで、バンテックさんで調べると、確かに北海道のユーザーが同じ目に合い、修理した記録があるとのこと。

 

しかし、確かに北海道の道はガタガタですが、パリ・ダカールラリーではありませんし、本州よりずっとたくさんのキャンピングカーが走っていますので、既定のトルクでちゃんと取り付けてあるショックアブソーバーが外れるだけの差があるとは思えません。

 

クルマに詳しい方に聞いても、ショックアブソーバーが衝撃で外れるというのは聞いたことがないとのこと。

 

いすゞエルフとモンローとの相性の可能性もあるので、他社製に交換することも提案しましたが、エルフのショックアブソーバーは短く、純正品かこの特別あつらえのモンロー製しかつかないとのこと。

そして純正品ではエルフ2tにとっては軽いCRUISEの架装ではサスペンションの揺れを抑えきれないとのことです。

 

とは言っても、効いてないショックアブソーバーで走るよりは純正品の方がはるかにましだと思うのですが・・・

 

いずれにしても、モンロー製の新品を取り付け直すしかなさそうです。

 

そこで、釧路から道東、道北に旅を続け、札幌に降りてきた時点でバンテック北海道に寄り、新品のショックアブソーバーにつけ替えてもらいました。

 

しかし、このことは新品に付け替えれば一件落着とは行きません。

 

もしバンテックさんの言う通り、ちゃんと取り付けたものが納車後に走っていて外れたのなら再び外れる可能性があり、安心して乗ってられないからです。

 

そこで、後日バンテック新潟に寄って、ショックアブソーバーの状態をチェックしてもらうことにしました。

 

バンテック新潟はバンテックとは別会社であり、バンテック製を初めとするキャンピングカーを売ったり、自社でもキャンピングカーを作っています。市村社長はとても熱心な方で、本当はそんな義理はないのですが、検査依頼を快く引き受けていただきました。

 

付け替えから一カ月半後、バンテック新潟に伺い、ショックアブソーバーをチェックしていただくと、問題なくついているということです。

 

一安心し、再度バンテック本社と電話でお話ししました。

 

私としてはやっぱり納車前から外れていたとした思えず、製造時のヒューマンエラーであれば、「しっかりしてよ!」で済ますこともできますが、バンテックさんが納車後に外れたという最終見解なのであればクルマとしての根本的な品質不足であり、旅を中断した上で定価での買戻しなどの話し合いが必要と考えていました。

 

しかし、外れたショックアブソーバーをバンテックさんで調べたところ、ゴムブッシュなどもキレイになくなっていることから、衝撃で破砕したのであればこうはならず、やはり製造時に仮締めした後に増し締めをし忘れたのではないかという見解に傾いているようです。

 

ただし、施工者の記録がなく、確認ができないとのこと。

 

キャンピングカービルダーは市場規模の小ささから、大手とは言え完成車メーカーのような品質管理はできないと業界に詳しい方から聞きましたが、重要部分の完成検査くらいはやっているはずです。

 

そうであれば、完成検査のチェックリストに検査者の印があり、施工者は分からなくても検査者は誰だか分かるはずでしょう。

 

とは言え、これ以上は前にも後ろにも進みそうにもないので、これで終わりにしようと思います。

 

この件、ホントに疲れました。

 

最近よく思うのは、キャンピングカーは新車で買うよりも、前ユーザーが初期不良を直し終えた中古車を買った方が安心して乗れるのではないかといういうことです。

 

バンテックさんに限ったことではありませんが、キャンピングカーが注目されている今、キャンピングカービルダーさんは品質向上に真剣に取り組んでいただきたいと切に願っています。

 

 

※後日談

 

ブログを読み返していたら、後日談を書くのを忘れており、大切なことですので追記しておきます。

 

日本一周旅行が終わる寸前の2021年の3月ごろ、そろそろ次に乗る方への報告もまとめ始めなければと、ショックアブソーバーの件のバンテックの最終見解を伺おうとバンテックさんに電話しました。

 

そこで初めて知ったのですが、なんとバンテック標準仕様のモンロー社製のショックアブソーバーは、私がCRUISEを買った以前にモンロー社が勝手に仕様変更し、いすゞエルフには適合しなくなっていたということです。

 

はぁーーーーーーっ?!!!

 

つまりショックアブソーバーが不適格になったということをバンテックは知らずに引き続きせっせと付け替えて新車販売していたとのこと。

 

しかも、それが判明してからも私に何の連絡もなく、相変わらず不適合なショックアブソーバーが再度脱落しないか心配しながら日本一周旅を続けていたわけです。

 

ツッコミどころが多すぎて、もう言葉はでませんでした。

 

「リコールするんですか?」と聞いたところ、台数が少ないのでリコールはせず、該当車両のオーナーの方には個別に連絡しているとのこと。

 

なんで私には連絡来ない?

 

それでもバンテックさんはマシな会社だということですので、本当にキャンピングカー業界の体質には絶句するしかありません。

 

その後、私のCRUISEも適合品に付け替えていただき、買っていただいた方に渡しました。

 

この件も含めバンテックさんには何度強くクレームを入れたか分かりませんが、日本一周旅が無事に実現したのはバンテックさんやディーラー網の必死のバックアップおかげでもありますので、売却時にはかかわった全員にお礼を申し上げました。

 

とは言え、CRUISEを持ちつづけていたら、この偏頭痛のするような戦いは今もまだ続いていたのでしょう。