崖崩れを経験したことがあります。
まだ独立したばっかり、
窯を開いて、子供も産んで、
今から焼き物やってくぞ!!と思ってたとき。
ロクロを挽いてた作業場の、
背中の方から轟音とともに崩れてきました。
テレビでよく、
崖崩れの予兆を見逃さず、迅速な避難を
とか言ってるけど、
実際にはそんなこと、わかるはずもなく、
ついさっきまで
立ってた場所、
作業してた場所、
寝て食べて暮らしてた場所、
思いのいっぱい詰まったその場所、
そしてたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんのものが、
何の前触れも、覚悟もなく、
崩れてなくなってしまいました。
生命とか、全く助かったけど、
命(=焼き物)とか、全くできなくなった。
生命が助かって良かったって、
いろんな人に言われたけど、
命がなくなったのに、良くなんかない。
死んだも同じだし、死んだ方が良かった、
とさえ思えました。
集中豪雨から土砂崩れのニュースをあちこちで耳にする度に、
やっぱりたまに、思い出します。
なにが良かったかなんて、いまだにまだよくわからないけれど、
とりあえず今、
焼き物できてるんだし、
ちょっと休んだからって、
低気圧だからって、
だーだーなってる場合じゃあないな。
あー、いそいそ。
あ、でもまだまだ続きがあって、
一応、新聞にも載ったし(人生初!!)、
多くの人に気にしていただいたんだけど、
なんとそれから10日後、
避難した先から2キロも行かない隣町で、
今度は竜巻が発生して、
こっちは人も亡くなる大惨事、
当然世間もこぞってそちらを大フィーチャー。
いつまでもわが身を悔やんでばかりでは
いられないことに気づいたのでした。
崖崩れから竜巻まで、
結構へヴィーな災害を、
こんなにも短いスパンで経験した、
あれは32歳、女の前厄年の出来事です・・・
いやあ、厄年ってあなどれませんね、
っっって、そういう話?
です。