天から金が降ってきた!

助成金はそう崇められ、地域の特性を逆手に群がる者が数多くいた。

例をあげるなら「瀬戸内ならでは」「温暖な気候ならでは」「稀少品種ゆえ」

などの文言を事業計画書に加筆すれば採択率は断然に上がる。

 

だが今ではクラウドファンディングという、さらにスマートな金集めが主流になっている。

脂ぎった採択員ではなく、金銭的余裕があり夢に投資したい無垢な方が彼らを支えている。

 

私が就農したのは四十一歳。

就農を志したのは三十六歳。

移住したい気持ちは先走るが、手元に軍資金なる元手が心許ない。

さらに数年頑張って移住資金を確保した。

 

クラウドファンディングなら資金を貯める時間を省け何よりも

貴重な若さを夢の実現に費やせる。

「こんな夢を実現したい」

収支やら見積りやら展望だの回収だの面倒くさい過程を

助成金ならば書面や面談で求められるが

クラウドファンディングなら、夢に共鳴した者が、可能な範囲で少額から

出資してくれる。

ありがたい。

時間を短縮できるのは大きなメリットに違いないが

私が池袋で過ごした時間も無駄ではないし、むしろ

学んだ事が多かった。

移住して地域で癖の強いと呼ばれた人も

池袋で関わった連中に比べれば他愛ないものだった。

 

クラウドファンディングや助成金ありきで起業した

事業があっさり撤退するのも今まで結構、見てきた。

助成金に縁の薄い私は合点する。

自腹という覚悟が苦境において踏ん張る知恵として

活かされるのだろう、と。

反面、助成金で購入した備品を数年で売り飛ばし

その金を懐に入れる猛者もいるが

採択する側に言わせれば

「助成金中毒(ジャンキー)」

と表現される。

ならば申請の段階で拒否すれば良いのだろうが、さすが猛者。

毎回、完璧な事業計画書を作成し助成金を奪取する術に長けている、らしい。

本当はサクッとまとめたかった話だが前ぶりだけで

ダラダラとここまできてしまった。

助成金に絡む事案にリモーネも

巻き込まれることになった。

言葉を選びつつ、ブログを書かなくてはいけないので

時間はかかりそうだが、続きはなるべく早い内に。