東京を離れ、近郊地域に移住する方が増えているとニュースで観た。

 

 先日、今治の広報誌で今治市が「移住したい地域」で全国で一位に選ばれたと記事になっていた。

 選ばれただけで移住者の実数が一位ではない。

 それでも四国、愛媛、今治の良さが伝わっていることは良いことだ。

 私たちが移住して十四年になる。

 私たち以外にも移住者は沢山いた。

 表に出ることは少ないが地域を離れた方、家族も多くいる。

 

一番の理由としては健康上の問題だ。

専門的な病院は高速代(軽自動車で往復約2500円~3000円)をかけて四国か広島に足を伸ばす必要があり

大病を患って通院が困難になるために地域を離れるケースが多い。

これは移住者に限らずの話で、体調を崩した高齢者が本州の身内を頼り

島を離れることも珍しくない。

 病院通いが現実的となったら私も島を出るという決断をするだろう。

 

で、二番目はやはり

「地域に馴染めない」

昨年島を離れた移住者のある方は

「リモーネ」に訪れて妻に

「島の人が信じられない」

と打ち明けたそうだ。

妻がどんな手立てを用いてその方の信頼を得たのか、或いは不満のはけ口だったのか、分からないが

その言葉を最後に彼らは島を離れた。

 

リモーネが活動できるのは、お客様は勿論だが

地域の方の理解と協力があってこそ。

「何かしてもらおう」とか、依存心を持つことは失礼だと自分に律している。

妻に言わせれば「ただの人間ぎらい」と切り捨てらそうだが。

 

移住した当初はすべてが新鮮で

地域に頼りにされて、やりがいを感じ

万能感に満たされる日々もやがて一巡すると冷静になる。

 

離島の決断をただ見守ることしかできないが

逃げ出した先にはパラダイスはない、と思い込み

踏ん張り、凌いできた私なんかよりもよほど先進的な決断かもしれない。

 

 

先日はバレンタインデーだった。

昔、バンドをやっていた頃、バレンタインデーの時には

「チョコ? 食いたきゃ自分で買って食うさ」

婦女子を前に嘘ぶき

せっかくの貰えるチャンスを自ら潰してきた。

あれから四半世紀。

もう義理を立てる人物ではないと見切られたのか

いまじゃ義理チョコにすらありつけない。

 

バレンタインデーと別に

ある方からお返しに「ロイズ」のチョコレートを頂いた。

自分で買って食べるチョコレート菓子といえば

昔から「ジャイアントカプリコ」一択の

私にとってなんたる僥倖!

ロイズのお洒落な箱を目に付くところに置き

「自身のご褒美」「ここ一番」のハレの日に備え

自らを高めてきた。

 

仕事が一段落ついたある昼下がり、私はロイズの箱に手を伸ばす。

持った瞬間にその軽さに声をあげた。

私が寝た後に妻と子供がしっかりとロイズを消費していたらしい。

「ここ一番」やハレの日が少ない自分の人生を忘れていた。

さっさと食べればよかった。

バレンタインデーを拗らせた男の末路に相応しい出来事だった。

 

延期になっていた動物ピースも放送された。

私の喋りの部分は1.3倍速くらいに早回しになっていた

ようで上手に編集されていた。

オス三匹で暖をとる。真ん中が保護したBON。

奥のネロ(黒白)は我が家で一番、器のでかい漢で

面倒見が良い。