タニタの体組成計ではアラフィフにも関わらず、かろうじて三十代を保っている私の肉体年齢。
副反応のありなしでマウントを取られる屈辱は受けたくない。
しかしあまりに強い副反応も困ったものだ。
今の日本において、ワクチン接種は公然と休暇を主張できる大義でだ。
私も寝込む気満々で二回目のファイザーに挑んだ。
注射直後から腕が痛くなり前回同様に上がらなくなった。
しかし発熱などはなく、体調もかわらず夕方、子供と海に行った。
夜は組の集まりがあり最近急増したゴミの不法投棄対策として、カメラを設置することを提案し
言い出しっぺゆえに私が手配と取り付けることになった。
翌日も発熱など体調に変化はなく、ライム畑にかん水をして子供と海に行った。
自分用に買った冷えピタやアクエリアスなど揃える物は事前に調達していたが杞憂に終った。
体組成計で若い数値が出ても、実際の肉体は「超老人」ということか。
さて妻もファイザー一回目の予約券が届いた。
副反応も考えて二日間の様子見を考慮した仕事のスケジュールを提案したが
「副反応? 私はもっとひどい状態でも仕事をしてきたんだ!」
となぜか逆切れされる。
かつて私がインフルエンザで伏せっていて窮状を訴えても
「風邪でしょ! 大袈裟」
と切って捨てられた事があった。
後に妻もインフルエンザに罹患し
「やっぱ風邪とは違うわ」
と振り返ったが勿論、私への謝罪はなかった。
私が「備えあれば憂いなし」なら妻は「憂い無しゆえ、備えない」タイプだ。
その時になったら考えるというタイプ。
もし予期せぬ事態になれば、怒りの矛先は身近な者に向けられる。
すなわち私だ。
妻に副反応が出た場合はどうなるのか?
魚の骨が口内に刺さっただけで歯医者に駆け込む、実は誰よりも大袈裟な妻である。
そんな妻の副反応がとても楽しみ、いや心配でたまらない。