数年前、お笑いのロバートの秋山氏が「都か区か気になる」をテーマに

した曲が話題になった。

公共の施設の管理が

「都」なのか「区」なのか、とにかく気になる~♪という歌詞だった。

 

若輩者ながら組長に就任した。

組長といっても組織の長ではなく、狭い地域の雑用係の役回りだ。

月二回ばかり会報誌を各戸に配布したり自治会の金銭管理だったりと回覧板の提出など。

順番だからしょうがない。

そう諦め組長会に出席した。

長机には議題となる項目が列記された紙が置いてある。

地域草刈りの日程は決まり、祭りも昨年に続き見送り。

議題が終えると雑談にシフトする。

「何処の誰は夫婦揃ってタチが悪い」

など私は議題の紙にメモする。他の組長さん達の会話をメモする振りして

議題の紙に似顔絵を描いたりして時間をつぶす。

 

組長会議は続く。

ある組長さんより国道の草刈りをしているときに、サイクリストに石が飛んで危険だから

誘導する人間を配置したいが人員がいない、と声があがる。

そもそも国道だから県とか市の管理じゃないのですか?

縁石までは国だが歩道側は地域町内会の管理になる、との答え。

もちろん曖昧で、草が伸びていたりすると町内会の草刈りのついでに刈る場合もあるし、その逆もあるという。

私は老朽化して見づらくなったカーブミラーの交換を提案した。

別の町内でカーブミラーが数カ所、新品に交換されていたからだ。

「おお。それは交通安全協会の仕事じゃ」

国でも市でも町でもない。「会」か。

会に申し出をしてとなにやら面倒な手順を踏むらしい。

摩耗して見づらくなったが清掃すればまだ大丈夫かな、と思った時に

「わしらも若いときゃ脚立使ってよく掃除していたんよ。けど最近は歳くったけん、しんどうてなぁ」

まさかこの場に及んで「個」に落とし込まれるとは。

ここで冒頭の「トカクカ」が頭に流れる。

ロバートつながりで言えばロバートの「山本」氏が

プロボクサーとして一試合だけ試合をした相手が私がお世話になった赤羽ジムの選手だった。

リングネーム「ジロリアン陸」とは互いにデビュー戦だった。

ジロリアンは敗北を喫したがその後、奮起し全日本新人王の決勝まで突き進み

今も第一線で頑張っている。

ラーメン二郎が好き過ぎるボクサーとして「激レアさんを連れてきた」という番組でも取り上げられた気鋭のボクサー。

注目してください。

 

ちなみに落書きだらけの議題の紙は各戸にも回覧するらしく、慌てて家で修正テープで消しまくった。

まったく五十も過ぎたおっさんが小学生かよ、と恥ずかしい。