二月七日に市長、市議選が今治市である。

島は今ちょっとしたお祭り状態だ。

定数30に対し39の候補者。

定数と候補者がほぼ同じの時もあったから、今回は「激戦」と呼ばれている。

 

移住して十二年。

掲示板に貼られた顔ぶれを見ると知った顔も多数みつける。

「さて誰に投票すべきか」

 

様々な方に集会に誘われたり、署名したりと「お付き合い」はするが

なぜか、私自身は醒めている。

支援者が候補者に忠誠と恩を売る機会に選挙を利用している気がするのだ。

と、邪推するのは、もちろん私がゲスだからに他ならない。

誰がなってもうまみと無縁だが一応、黙考する。

 

今治港で下手くそなベースがいるバンドの路上ライブに足を運んでくれる

市議さんがいる。

拷問のような演奏の間、傾聴いただくその市議さんの努力は英雄的であり一票の価値はある。

 

だが島では重鎮とも言える市議もいる。

農業員会や猟友会などで顔を合わせる事も多い。

私のことを「あの子」と呼ぶ。

私自身、五十過ぎたオヤジだが「年齢より若く見られる」ことがめっきり減ったから

貫禄がないのを恥ずかしく思う反面、悪い気はしない。、一票の価値はある。

 

移住当初、妻がある市議さんの遊説の手伝いをして以来の付き合いのある

市議さんも出馬する。

バックステージでの人間味溢れるその市議さんの人となりを妻から聞いている私は唸る。

「一票の価値はある」

 

今治市に飲食店を営む方も出馬する。

飲食店だけでなく、酒造メーカーを集めたイベントも開催されており

「リモーネ」も声をかけてもらったことがある。

だが人員の手配等、折り合いが付かず出店は見送った。

その悔恨は一票に値する。

 

また友人の営むバーに通う方も出馬する。

その方は「大三島リモンチェッロ」を大変、気にいってくれているそうだ。

選挙とは関係ない時期に伝聞で私の耳に入ったものだから、信憑性は高い。

普段、人様から励ましの言葉等いただく事の少ない私にとって、利害関係のない角度から

入ってくる情報は励みになる。

 

そこまで悩むなら政策で決めたらいいのだがチラシに目を通しても

「未来輝く都市作り」

「しまなみ海道の活性化」

「誰もが夢を見れる市政を!」

とかポエムっぽく濁しているだけで決定打にはならない。

 

絵に描いた餅で腹は満たないが

胃袋が刺激されることはあるのだ。

暴走するサイクリングに困惑している地元ドライバーは多いと思う。

サイクリングロードにはサイクリストが目視で後方確認できるよう

等間隔でミラーを設置するとか掲げてくれたら、私的にはストライクなのだが。

まぁ言ってしまったら責任がついてくるので

ふわりと軟着陸が公約というものだろう。

 

お前がやれ、と言われても困る。

私の身体はホコリで組成されているので、叩かれたらいなくなるしか術がない。

 

追記だが、投票所には立会人の達人がいて背後の肩の動きなどから画数を読み

誰が誰に投票したかが分かるという、嘘のような噂も島ではささやかれている。

信じるか信じないか、アナタ次第です