有機JAS認定を続けるか迷っている。

珍しく妻も同意している。これは英断だ。

夫婦揃って被害妄想と言われるかもしれないが

JASを商売に利用しやがって的な目で見られている居心地の悪さを

認定機関側から毎度、感じている。

 

そりゃそうだ。

畑にはいつくばって自給自足を標榜する農家の方が

認定機関から見れば健全で、生意気にも

「畑にいるだけが農業じゃない」

と言い切り、リキュール造りや海外雑貨買い付けや

伊予銀行のCMで美声を披露したり藤原紀香がお店にきたりすんだもん。

やっかみもあるよな。

俺は会ってないけど。

 

藤原紀香さんが雑誌の取材でお店に来られた時、妻は私を呼ばなかった。

聞くところによると「すさまじいほどの美のオーラ」で輝いていたという。

妻が私を呼ばなかったのは正解だ。

出逢ってしまったら惹かれあう、と直感したのだ。

隠そうにも溢れだすオスの芳香を全身から醸し出す俺と藤原紀香さんが

もし対峙なら恋に落ちるのは必然であり、その先に起こる逃避行劇はもう、偶然ではない。

妻の判断は日本の芸能史をすくった英断といえる。

 

この話をすると妻は目頭を押さえ嗚咽を漏らし始めた。

「パンチドランカー」がどうのこうの、こぼしていたが

俺の指摘が図星で照れているのだろう。

俺は妻を慰め書類作りのために別室にこもった。

 

有機JAS認定を取得してお客様に安心安全をお届けするには

ペーパーワークが欠かせない。

だがあまり意義を感じなくなった。

付加価値をつけてお客様に売りたいのではなく第三者に認めてもらうことによって

より風通しの良いお客様との関係が築けると考えていた。

 

だが機関は

「え、そんなの今まで言わなかったじゃん。嫌がらせ?脱退させたいの?

と様々な要求をしてくる。

同じような体質の税務署とのやりとりで疲弊している上に認定機関からの圧。

こちらが未熟者だと理解したうえで言わせてもらえば、権威と言うものは

持つ者が成熟していてまかり通るのだ。

リキュール造りを辞めるわけにはいかない。

リモーネが無農薬栽培なのは周知の事実。

地域でもJASは取得せず表現的には野放しの

「自然農法、自然栽培」

のうたい文句で喧伝している農家がほとんどだ。

 

「自然農法、自然栽培」の表現が市民権を持ったころ、「有機JAS」と

決別する日がくるかもしれない。

そのためにも「自然農法、栽培」を実践する農家さんは農業に精進し、

一日もはやく「自然農法」が世間に認知されるよう頑張ってもらいたい。

ま、どんなに頑張っても藤原紀香さんが畑にくることはないだろうがね。

俺も会ってないけど!

 

(注)こちらのブログを書いたのは数年前であり本年度の有機JAS調査はとても

  有意義かつ的確だったことを付け加えます。

  ちなみに先週、サッカー元日本代表の前園さんもお店に取材で来られましたが

  すれ違いで会えませんでした……

 

オスの芳香発散中!