宝塚歌劇団から、劇団員自死に関する調査報告書が11/14に公表されました。

拙ブログ恒例の今更感満載で、調査報告書をもう一度読んでみました。


そのうえでの感想文です。

いやそんなの要らないし…ですが、公演の感想レポートの変型判的なイメージで。


あくまでも読書感想文、そう思う人もいるのか的に生ぬるく見ていただければ幸いです。

※この文章では、亡くなった宙組生は、代理人弁護士の使っている「被災者」と呼ばせていただきます。

 

●ヘアアイロンの件

報告書P.2が事件のあらまし的な話、P.3からは事件が報道によって世に出た後に行われた話し合いの経緯について、という感じでした。

ファーストインプレッション(最初に読んだ時の感想)は

「ずいぶん表層的だなー(鼻ホジ)」

という印象でしたが、

改めて読んで思ったことは、

A(ヘアアイロン上級生)に対して、

被災者・そのご家族が

並々ならぬ恐怖心を抱いていたことが

伝わってきました。

 

そもそもヘアアイロン事件は

色々な問題が山のようにあって、

問題のフルコースみたいな事件です。

(その中で、現在は上級生によるパワハラという点が問題になっています。)

 

ただ、当時を振り返ると、

この事件が明るみに出たときのポイントは

パワハラではなかった気がします。

観客にまでわかりやすく行われていた

ブリザードデュエットダンスの

「理由はこれですよ」

みたいな感じだったのでは?

 

折しも、宙組トップコンビが退団発表しており、

「次期トップコンビの発表まだかなまだかなー(ドキドキ)」

みたいな空気感(←タカラヅカ風にw)の中で、

宙組次期トップ娘役候補の筆頭格だったAの大スキャンダルです。

結局、宙組のトップ娘役はAではない人に決定。

 

あのタイミングで文春砲って怖いわー、って思いました。

めちゃくちゃ作為的、というか…

まるでAをトップ娘役にさせたくないかのような見事なタイミングでのリークでした。

そのリークのネタとして、インパクトの大きい(=下手すれば傷害)ヘアアイロンの件が使われたように思います。

 

だって、ヘアアイロン自体、1年半以上前に起こったことで、

ブリザードデュエダンもヘアアイロンから1年も経っているわけですよね。

次期トップスター候補さんが、ヘアアイロンを知ってブリザード状態になったとしたら、

なぜ1年も気づかなかったのか?

それまでは(少なくとも表面上は)仲良くしていたように思うので…

とっても作為的な何かを感じます。

 

閑話休題。

ヘアアイロンが明るみに出た後の被災者はビックリしたかもしれません。


何せ

「(怒らせたら)何をされるかわからない」

と恐れている上級生と自分との関係が文春砲の餌食となったわけですから。


実際、Aは下級生から恐れられている存在だ、という報道を見かけたことがあります。

(それゆえにAもちょっと孤立しがちだった、みたいなことも)

 

調査報告書では、被災者が

「Aを苦手にしていて、なるべく接触しないようにしていた」

という証言が多かったようです。

触らぬ神に祟りなし、組織の泳ぎ方として賢明な選択だと思います。

親御さんも、日々の連絡等から、怒らせたらやばい先輩がいたこと、知っていたと思います。

 

文春報道が出たことについて、

宙組プロデューサーから電話があったときの母親の言葉はこんな感じだと調査報告書は伝えています。

「やけどをしたのは事実であるが、故意にヘアアイロンを押し当てられたとか、親族が激怒したとか、ありもしないことを書かれるのは非常に心外であるし、娘もかわいそうに思う、またAも事実と全く違うことを書かれてショックだと思うし、心配である」(宙組プロデューサーのメモより)

 

いやー、ホント、どんだけ恐れられているのよA!って思いましたね。

そりゃ被災者が「あれってわざとだよね」って思っていることがバレたり、

親族が激怒しているとか、

Aに知られたらそれこそ何されるかわからないから母親がフォローしたんでしょう。

 

1年半前にメンタルすり減らしながらなんとかやり過ごしたことを、今更蒸し返された感満載だったのでは?

と気の毒な気分になりました。

 

よく読むと、2月のオンタイムでの反応と、被災者が亡くなった後のご遺族のお話しは、

食い違いも含めて少しトーンが違う感じがします。

これから宙組で生きていかなければいけない娘が居づらくならないように注意して出た言動と、

守るべき娘が亡くなった今の言動、

違っていて当然だと思いました。

 

あと、話し合いの前に持たれたヒアリング(?)も、

よく読むと遺族側と劇団説明って状況同じじゃね?

とか思ってしまう…

話、食い違ってはいないよね。

表現が違うだけで。

 

ヘアアイロンの件は、被災者にとっては若干、貰い事故的な印象もあります。

それなのに、被災者が奇しくも、宙組で居づらくなってしまったことも予想できます。


だから、8月以降の件とは、柔らかくつながっているけれど少し毛色の違う事件だと思います。

いじめかどうかはともかく、パワハラには間違いないんじゃないの?

劇団、認めていないけれど…(遠い目)

 

「苦しいならその場で言えばいいのに」

は正論ですが、被災者は退団も視野に入れている時期だったようです。

現時点ならいくらでも言えますが、当時のことを考えるとね…(涙)

ご遺族は後悔してもしきれない想いかと(涙)。

 

ともあれ、ご遺族の考える着地点に無事、到達できますように。

亡くなった方は戻りませんが、せめてもの救いとして。

そして改めて、ご冥福をお祈りいたします。