灰と幻想のグリムガル level.2(2巻) 著者:十文字 青 オーバーラップ文庫
 
はい、たった2巻でアニメに追いつきました。
 
1クールのアニメが2巻で構成されていたことが意外ですが、先の楽しみが増えるので良かったです。
 
まずはアニメとの相違から。
 
たくさんありますが、アニメとの逃亡シーンが違いますね。アニメでは仕方なしに、それしか取れる行動がないという切羽詰まった感じがありました。
原作小説では、同じく切羽詰まっていましたが、ランタを見捨てた感が前面に出ています。
シホルなんて竪穴のロープを敵が昇ってくるという理由で、ランタを残して回収しちゃいますし、アニメのシホルはもじもじちゃんでしたが、原作だとちょい腹黒さがあります。
まあちょい毒がある方がユメとの差ができて個人的には良いですが、ストーリー的にはどうかな?って思いました。
 
後は強敵デットスポットとの戦いです。メリイの敵討ちは結果できますが、アニメよりもすんなりやられすぎのような気がします。アニメでは主人公ハルヒロの必殺“偶然見える線”が長く見えて、流動的な連撃の末に倒すことができました。
原作では一撃の偶然です。ちょっとデットスポットが強敵だったのかわからなくなりました。
「この程度だったら、他の奴が仕留めてるんじゃね?」と思います。主人公のチームは最弱で、もっと強い奴らや血の気の多い奴らはいるはずです。大きな賞金もかかっていなかったなら、無理して戦うだけ無駄と考えるやつらも多いかもしれませんが、力を誇示しようとデットスポットに挑むやつはいなかったのでしょうか?
 
疑問に思う反面、納得するところもあって、原作のデットスポットはアニメよりも小さい描写でした。原作2mに対してアニメでは5m?くらいあったように思います。それは、アニメではそのままでは武器に出来そうもなかったデットスポットの武器を、原作ではそのままモグゾーの武器にしようとしている事や、ハルヒロが決死の想いでデットスポットにしがみついた時の敵の抵抗やハルヒロの受けるダメージからもそのように感じました。
 
結果、冷静になれば、デットスポットとは、そんなに大騒ぎするほどの敵ではなかったのか?まだ2巻目だし、ちょっと強い敵くらいのポジション?他の奴らからの眼中にはなかった敵?
確かに強そうな噂もあったが、コボルドのボスとは言っていないような?
 
でもそれだと2巻のラスト。
 
なぜ、義勇兵最強のチームから呼び声がかかった?ということになります。
 
無理やりな解釈では、「お前らのレベルと義勇兵歴で、よくあいつを仕留めたな!まあ俺が相手なら楽勝だけど、見どころはあるぞ。」的な???
 
ああだめだ。
 
今回は好きなキャラのランタについて熱く語ろうと思ったのに、気づいたらデットスポットについて語りまくってるし、そんなに俺も気合の入ったツッコミしたいわけじゃなかったのに、どうしてこうなった!?
 
今回アニメより良かったのはゾディアックん(ランタの召喚悪魔)の活躍です。
アニメでは使えなさが半端ではなかったですが、原作では、召喚者の鏡だとされており、素直すぎたり、素直じゃなかったりするランタの性格が反映されているように思えました。
しかし今回、身を挺して(死なないけど)、ランタを守ります。
 
ランタにしても、みんなが思っているよりもめっちゃいい奴です。
こういう嘘が付けない奴は結構好きで、たまに予想外に褒められた時の動揺具合といったら、男キャラですが、すごくかわいいです。
 
という感じでデットスポットの評価が3巻で明確になることを期待してサイナラ!