バケモノの子

 

両親が離婚し、育ててくれた母親を9歳で亡くした主人公“蓮”。良いところの家系なのか、跡取りとして親戚に引き取られようとしていたが、蓮は逃げ出した。

 

大都会の中で孤独に彷徨う蓮の元にフードを深く被った大男が声をかけてきた。

 

大男の名前は“クマテツ”。

 

人間の世界とつながって入るが、動物の容姿を持つ者たちが住む世界で新たな主になるための候補者の1人。

 

現在の主は神になる為に、席を譲ろうとしていたが、2人の候補者に弟子をとることを条件に出した。

 

クマテツには弟子がいない。

 

両親がいず、1人で育ち、強くなった彼には味方が少なかく、激情な性格もあって、弟子になるものは少なかった。少ない弟子候補も厳しさからすぐに逃げ出してしまったのだろう。

 

そんな彼は、成り行きで人間を弟子にすることを考え、街の隅にうずくまっていた蓮に偶然声をかけた。

 

クマテツはそのまま去ってしまったが、蓮は追いかけた。

 

人間が立ち入れない世界に迷い込む。

 

その世界は人間を拒絶していた。

 

理由は、人間の心の闇が災いを引き起こすからだ。

 

クマテツを追いかけながらも蓮は弟子になることを拒んだ。

 

口を開けば喧嘩ばかりし、とても師弟の関係ではなかった。

 

それでも蓮はその世界に留まった。強くなりたかったから。

 

喧嘩しながらも二人は歩み寄った。意地の張り合いのような関係は続いたが、蓮はクマテツに稽古をつけてもらうことになった。

 

ここでクマテツに大きな問題があることが分かった。

 

強い力を持つクマテツだが、何せすべてが我流。

 

他人に手取足取り教える技量が皆無だったのだ。「だから、ぎゅー、だ!」など擬音ばかりの説明では蓮には理解できなかった。

 

しかし、蓮は強くなりたかった。

 

弟子とはどうあるべきかを考え、家事が一切できないクマテツの身の回りの世話をする日々。その生活の中でマネをすることを思いつく。指導が下手なクマテツの動きを見てまねるようにようになった。

 

まずは足から。

 

クマテツの練習中のステップを見て、目印をつけ、マネた。他の動きもクマテツに気づかれないように必死でまねた。

 

あるときキッチンでジャガイモを剥いていた蓮は外で札遊びをするクマテツの足音を聞きながら、自分が無意識にマネていることに気が付いた。

 

姿を見ていなくてもクマテツがどんな動きをしているかがイメージできることに本人すら驚いた。

 

確信を得た蓮はホウキでクマテツに襲い掛かった。

 

蓮のは貧弱な攻撃だが、クマテツに蓮を捕まえることはできなかった。ムキになるクマテツの攻撃をすべて避けた。

 

蓮はクマテツにどうして避けられるようになったかを教える代わりに、剣や殴り方の指導をしてもらうことになった。

 

弟子である蓮の成長がクマテツの成長にもつながった瞬間だった。

 

二人は感情をぶちまけながら言い争う生活を続けていたが、互いに磨きあった。

 

月日はあっという間に流れ蓮は17歳となる。

 

蓮はとても強くなった。弱い人間として見下されていた少年は、成長して皆から一目置かれる存在に成長。

 

クマテツの元にも蓮のようになりたいと弟子の志願者が増えた。

 

蓮は強い気持ちと努力で強くなった。強いクマテツが見本として近くにいた事は大きいが、クマテツは他の人たちに教えられる技術は身につかなかった。

 

当然弟子志願者たちはパッとしないまま。

 

蓮は外の世界、元いた世界に興味を持ち、度々勉強しに抜け出した。

 

外の世界では、親の言いなりで進学校に通いながら、やるせなさを抱えた少女に出会った。

 

蓮は少女に勉強を教えてもらった。

 

蓮の集中力は高く、最終学歴が小学生の蓮は彼女から、大学進学を進められた。

 

しかし、進学には戸籍や身元引受人が必要。

 

蓮は父親を探し出し、会いに行った。

 

本当の父親と、育ての父親。

 

揺れ動き、不安定になる精神。

 

そんな蓮を少女は支えた。

 

暴れかけた蓮だが、彼女のおかげで思いとどまった。暴れないようにお守りももらった。

 

別世界に戻ると祭りムードになっていた。

 

ついに次の主を決める儀式が始まることになっていた。

 

クマテツは蓮不在の中、宿敵のもう一人の候補者と戦うことになった。

 

もう一人の候補者はクマテツとは違い、人格者であり、街の治安維持にも尽力する。2人の子がいる。

 

クマテツはこの男に負け続けていた。戦いでも、私生活でも。

 

戦いが始まり、クマテツは案の定苦戦した。

 

ノックアウト寸前のところで隠れて傍観していた蓮はしびれを切らして叫んだ。

 

蓮の声を聞き、クマテツが本領を発揮する。

 

さらなる高みに上がったクマテツは接戦の末に勝利することができた。

 

次世代の主の座を勝ち取り喜ぶクマテツと蓮、盛り上がる観客。

 

街の人からも孤立していたクマテツ、孤独だった蓮の姿はもうどこにもない。

 

しかし、快く思わない“人間”もいた。

 

クマテツの宿敵だった相手の息子は実は人間であり、父の敗北が皮切りとなって、心の闇に飲まれ、クマテツを背後から刺した。

 

クマテツは崩れ落ち、その姿をみた蓮もまた、心の闇に飲まれた。

 

敵に刀が刺さる寸前。少女からもらったお守りが視界に入り、蓮は心の闇を制御することに成功する。

 

敵は姿をくらましたが、蓮は仇討ちとは別の戦う意味を見つけ、敵を追った。

 

両者は人間の世界で戦うことになった。

 

 

とまああつたない文章であらすじを書いていましたが、疲れたのでやめます。続きが気になる方は、DVDを借りてみてください。旧作でレンタル可能です。そして、すごく面白い作品でした。

 

師弟の友情や愛、成長、葛藤、笑い、涙。あらゆるものが詰まった熱くて、暖かくて、やる気が出る作品です。

 

クオリティーが半端ないです。

 

ではまた!