今回は小ネタです。
青山透子氏の著書「日航123便 墜落の新事実: 目撃証言から真相に迫る」(発売日:2020/6/8)に『123便事故発生直後に、テレビや新幹線内で123便事故に関するニューステロップが流れた』という記載がございました。
(「日航123便 墜落の新事実: 目撃証言から真相に迫る」)
緊急放送が続々と流れ、テレビや新幹線内のニューステロップで事故が報道された。その中には多くの人々が驚いた緊急報道があった。それは『自衛隊員二名が射殺された模様』というものだったが、その数分後『先ほどのニュースは誤報でした』という内容だった。具体的には二十時頃、『ただ今現地救助に向かった自衛隊員数名が何者かに銃撃され、死者負傷者が多数出た模様です。情報が入り次第お伝えします』であったと記憶する。なおこのニュースは二〇一〇年まで動画投稿サイトで流れていたが、今は削除されている。
この内容について青山さんのWikipediaに誤記である旨が記載されたため、そのことに反論する記事をブログに投稿なされました。
(青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相
2023-11-15「偽情報にご注意を! 青山透子」)
デマその2
新幹線内の電光掲示板という当時存在しない事が証明されている明らかな誤記
➡これも無知による書き込み。最近の新聞報道を添付する。
「車内ニューステロップは1985年に始まった。JR東海が新聞社などと契約して流している。朝日新聞や読売新聞といった全国紙だけではなく、JR東海の本社が名古屋にあるためか、中日新聞のニュースも流れている。」
従って、10985年年から、すでに電光掲示板があったのである。
※ “10985年年”と言うのは原文ママです。内容云々の前に、こんな誤記を1年半放置してるのは意味がわかりません。
この反論を受けて、その後Wikipediaから青山さんがデマと断定した記述は削除されました。
ただ結論から言うと、青山さんの方が明らかな誤記なんですよね。
当初から鉄道ファンから「123便事故発生時、まだ新幹線にニューステロップは流れてなかった」と猛烈に突っ込みを受けてましたが、青山さんはWEB記事を引き合いに自らの正しさを主張されてました。
東洋経済ONLINE「東海道新幹線「車内ニュース」終了は残念だ スマホ使えぬ満員の通勤電車では現在も重宝」
ニューステロップが日本で初めて流れたのは東海道新幹線の100系車両でした。
確かにこの100系車両が登場したのは123便事故の5カ月前である1985年3月。ただし3月時点では試作車であり、営業運転は同年10月から。これが好評だったので翌1986年6月から量産に入り、同年11月から量産車が投入……という時系列になってます。上記のWEB記事は“1985年”と年のみを記載してますが、営業運転は10月からだったことに注意が必要です。
(「旅鉄BOOKS 014 新幹線で知る日本 なるほど地理・歴史・社会」池亨著(発売日:2019/1/17))
100系は、1985年3月に試作車(9000番台)が登場。同年10月から営業運転に入り、翌86年11月ダイヤ改正で量産車が投入された。
(「東海道新幹線三〇年」須田寛著(発売日:1994/11/1))
また、情報化社会を反映して、車両出入口上の情報ボード設置(運行情報、ニュースなどを流す)、電話サービスの拡充が行われた。
(中略)
とりあえず五十九年第三十六次車として先行製作一編成が発注され、六十年三月から入線した。この結果、好評を得たので、六十一年六月から新会社移行の直前の六十二年三月まで、六編成が量産され、以後の標準形式となった。
つまり123便事故が発生した8月時点では試作車段階だったわけです。試作車でニューステロップが流れるのか……という話になりますが、実はそれ以前の問題でして、1985年に100系車両が登場したのは間違いないのですが、ニューステロップが流されるようになったのは1989年3月からでした。
1989年当時の新聞記事が以下となります。
100系車両にはドアの上部に情報ボードが設置されてましたけど、1985年当初は運行情報等が表示されるのみで、新聞社と提携してニュースが流れるようになったのは1989年です。これは当時の様々な雑誌や新聞で確認できることですので、青山さんが引用した記事が明らかに誤ってます。
青山さんはこのことをずっと指摘されてますが、絶対に自らの誤りを認めようとしません。こうなると青山さん主張全てが信用できなくなります。誤りを訂正出来ない人の情報をどうして信用できるでしょうか。
真実を追求しようという立場において、この態度は全くもっていただけません。非常に残念です。
ちなみに青山さんが流れたとしていた『自衛隊員二名が射殺された模様』というニューステロップですが、普通に考えればありえません。ありえない理由はたくさんあるので、それを語る機会は別にしたいと思います。
ただ、最近とある関係者の方が、このニューステロップが実際にテレビで流れたとするような発言を動画内でされており、今後の動向が気になるところです。