不登校の中の高校受験⑥ 個別相談会 |     在宅生徒会長

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         中学で2年間不登校だった娘は、
         困難な受験を乗り越え、高校2年生になりました。
         未だ完全復帰とは言えませんが、
         どうにかこうにか学校に通っています。

学校見学に行くと、たいていの場合、終了後に
個別相談会というのがあります。

特に私立の場合は、
ここでほぼ合格が決まると言っても過言ではありません。

学校の全ての先生が借り出されている感じなので、
担当者の当たりハズレはありますが、
基本は1~2人の担当者と、本人、親が向かい合って話します。

自分の成績を伝えて、「どうでしょう?」と聞くと、
担当者が「ああそのくらいなら、可能性はありますね」とか、
「もう少しがんばらないと、厳しいかもしれませんね」とか、
そういうアドバイスをくれる…

というのは表向き。

実際には、学校の通知表、模試の成績、
英検などの資格証明など、
あらゆる、自分の「売り」となるものを提示し、
その学校が持つ「基準」をクリアしていれば、
(模試の偏差値がいくつ以上、内申いくつ以上とか)
私立の場合はそこで、いわゆる「内定」が出るのです。

試験を待たずして、です。
だからみんな、目の色変えるのです。
だから、模試の成績が、とても大事なのです。

内定の言い方はいろいろあります。
確約とか、
優遇とか。

もちろん、翌年2月頃の試験は受けます。
でも、そこでよほどひどいことがない限り、
落ちないのです。

おおっぴらに、許されているわけではありません。
あくまでも、内々に、です。
私立なので、お上もそれほど強く規制できないのでしょう。




もっとも、不登校の子の場合、
成績がいくら良くても、
そこで内定をもらえることは、難しいです。

「一般受験」
「オープン入試」
などと呼ばれる、
誰でも受けることのできる枠で受験することになります。
先程から話している「内定」で、多くの合格者は決まっているので、
オープン入試で受かる人数は多くはありません。



で、相談の席につきます。

学校の通知表を見せれば、欠席日数が書いてあります。
一目瞭然。

当然、そこで引っかかります。

そこからが、すごい。

普通に、
「いつからですか?」
「これから卒業まではどうするつもりですか?」
「高校に入ってから、ちゃんと来れますか?」
みたいな質問をするところも、もちろんあります。

でも、
本当に、信じられないようなひどい言い方をされることも多いです。


興味本位としか思えないような聞き方で、
理由を根掘り葉掘り聞かれることもあります。

「そんなんじゃダメだ」と説教が始まることもあります。
(なんでアンタにそんなこと言われなきゃならんの?です。)

「高校に来てもまたダメなんじゃないの?」と言われます。


とる側としては、当然、聞いておくべきことはあると思います。
こちらも、聞かれる覚悟はしています。

でも、どう考えてもそこを逸脱した、
暴言の数々には、本当に消耗させられます。
帰り道、ぐったりとして、歩けなくなるほどです。

挙句の果てに、断られるんです。
「いやあ、ちょっとウチでは無理ですね」と。

「いやあ、受けるのは、受験料払っていただければ、
誰でも受けられますけれどね…
合格はできませんよ」
と、ハッキリ言ったところもあります。

つまり、オープン入試で受験して、
合格基準以上の成績を取ったとしても、
合格させてもらえないのです。

直前の学校説明会で、
「当校は、チャレンジする生徒を応援します」

とかなんとか言っていたのに、
チャレンジする場さえ、もらえないのです。




でも、どうか負けないで。

そんな学校は、こっちからお断りでいいんです。


理解のある学校には、きっと出会えます。

そういう失礼な対応をする担当者の学校は、
学校全体が、そういう校風だと思っていいと思います。

個別相談会の場で、その担当者と言い合っても無意味です。
「こりゃダメだ」と思ったら、さっさと退却です。


逆に言うと、
理解を示してくれる担当者のいる学校は、
学校全体の空気が違います。

厳しいことを言われても、
筋が通っているので、
それほど不快な思いをしないと思います。

「あなたが、頑張ると言うのなら、
その手助けはしますよ」
という姿勢が見えます。

おそらく、
「ここなら大丈夫」、
「ここに来たい!」
という確信が持てる学校があると思います。

10校に1校かもしれません。
もっと悪いかもしれません。


でも。そこを見つけるまで、
あきらめないでください。

納得のいかない学校に入学しても、
また行けなくなる。

ここは、ぜひとも頑張って欲しいところです。



個別相談会のコツとして、ひとつ。
個別相談会は、たくさんの親子が順番を待つので、
学校によってはものすごく待たされます。
待たされた挙句、無駄な相談になる可能性が高いので、
時間の無駄を作らないためには、
並ばせられるときに、最初から、言っちゃうんです。
会場整理の係りの人に、
「実は不登校なんですけれど、おわかりになるかたとお話させていただきたいんですが」

こう言っておくと、たいていが順番を飛ばして、
管理職クラスの人に案内され、
責任ある立場の人と話せるので、話しが早いです。


とまあ、こんなわけで、
個別相談会に、nonは連れて行きませんでした。
行けませんでした。

友人の不登校の子は逆に、
自分で行って、自分で話して、
「ここはダメだ」と自分でジャッジした、という子もいます。

強い子だと思います。
お母さんが隣で見ていて、泣きそうになるくらい、
ひどいこと言われたりしたそうです。

nonはそこまで強くなかったので、
(正確に言うと、そこまで回復していなかったので)
私がクッションになることにしました。
私ができるのは、そこまで、と思っていました。
その後は、どうやったって本人が頑張るしかないのですから。

最後に絞った3つの学校だけ、
本人が行きました。

私が一度話をして、
「本人を連れて来て下さい」と言ってくれた学校です。

nonはしっかり話していました。
向こうも、聞きにくい質問にはちゃんと
「聞いてもいいですか?」と断りを入れてくれ、
配慮してくれました。
(人としてアタリマエのことです)

でも、きちんと、言うべきことは言われました。
厳しいことを言われても、
言っている人がどれだけ真剣にこちらと向きあってくれているかが
ちゃんと伝わるので、ちゃんと答えられていました。

本人も納得して、
「この学校を受験する」、と言いました。





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