今日の歌はBGMでどうぞ
長く続けてきた化学療法を
やめると決めてから数週間。
少しずつ、病状は進行してきました。
それでも、お父さんは訪問するたびに
「昨日よりましや」
「この前より、だいぶよくなっている」
「眠れるようになった」
「ここの腫れは、だいぶひいてきた」
「あと2か月くらいで、よくなると思う」
と、体調がよくなってきていると
話してくれます。
「来年の春、免許の更新があるんや」
「来年も米を作りたいんや」
「トラクターは孫が運転してくれるって」
「ひ孫の顔を見るまでは生きていたい」
きっと、お父さん自身も、
病気が進行していることは
わかっているのだと思います。
もしかしたら、来年の米は作れないかも・・・
そう思っているかもしれません。
でも、お父さんはきっと、
徐々に増していくしんどさの中に、
なんとか希望の光を見つけようと
しているのだと思います。
それが今のお父さんにとって、
日々を生きる力になっているのでしょう。
お母さんは、いつも黙って
お父さんと私の会話を聞いています。
外まで、私を送り出してくれた時、
「お盆までもたないと思っていました」
そう話してくれました。
お母さん、そんな風に思っていたんですね。
それでも、お父さんの話をただただ聴いて、
「ご飯を食べに行こう」と言われれば、
希望のお店に連れて行き、
「かき氷が食べたい」と言われれば
かき氷を作って。
その日、お父さんがやりたいと思うことを
サポートしていてすごいなぁ。
本当なら、外出はもうかなり大変なはず。
それでも、お父さんの希望を
ひとつひとつ叶えてあげているお母さん。
お父さんに出会ったばかりの頃、
「最期まで、この家でこいつと
一緒に過ごせたらそれでいい」
と話してたことを思い出しました。
お父さんにとっての最大の
希望の光はお母さんなのかもしれない。
と、この記事を書きながら思いました。
今私は迷いの中で
がむしゃらに 光探してる
最後まで あきらめないと
希望だけ 握りしめてる
・・・
今という時間を
ただ必死に生きて
奇跡を信じてる