今日の歌はこちら
よかったら、聴きながらお読みください。
先日、旅立たれた患者さんの
振り返りのカンファレンスを行いました。
今回は、後悔が残るお看取りでした。
いつだって私たちは、目の前の
患者さんのことを考え、
どうすれば苦痛な症状を緩和できるか。
どうやって関わるのがいいのか。
ご家族への支援はどうすればいいのか。
最期まで、穏やかに過ごして
いただくのにはどうすればいいか。
そんなことを考えながら、
日々の関わりを続けています。
でも、人間同士。
時にはうまくいかないこともあります。
正直、苦手なタイプの患者さんや、
ご家族さんもいらっしゃいます。
意思疎通がうまくいかないこともあります。
それでも逃げずに、最善を目指します。
今回の患者さんは、息子さんが
主に介護をされていたお母さん。
大きな傷もありました。
それでも、息子さんが丁寧に介護されていて、
本当に頭の下がる思いでした。
お母さんは、きっと傷が痛いはずなのに、
いつもニコニコされていて、
私たちのことを気づかってくれていました。
痛み止めも、あまり飲みたくない
とおっしゃっていました。
息子さんも多くは語らず、寡黙な印象。
そんなお2人と、私たちは
ちゃんと関われていたのか…
聴き出せない思いを
抱えていらしたのではないか…
どこかのタイミングで、
何かがちがっていたら、
もう少しいい時間を
過ごしてもらえたのではないか…
こうやって、振り返ることで、
その時には気づけなかったこと、
見えなかったことに
気づくことがあります。
このタイミングで、息子さんが
ご挨拶に来てくださいました。
「いろいろ助けていただき
感謝しています。
息子として、母には
迷惑をかけてきました。
こうして、母との時間を
もらえてよかったと思います」
そうか・・・
そうだったんだ・・・
息子さんは今までお母さんに
迷惑をかけてきたから
最後の恩返しのような思いで
お母さんの介護をされていたんだ。
そんな気持ちを、もっと早く聴けていたら・・・
申し訳ない気持ちになりました。
患者さんとのご縁は一度きり。
しかも多くの患者さんが、
人生のタイムリミットが近づいている方たち。
ほんの少しの気持ちのズレ。
ほんの少しのタイミングのズレ。
その場その場の一瞬の判断。
その時に必要な行動のスピード感。
その、ほんの少しのズレが、
のちに患者さんを苦しませることに
なりかねない私たちの仕事。
決してやり直しのできない現場。
もっと勉強をして、
目の前の患者さんにとって、
最善の関わりができるように
していかないといけません。
日々、患者さんから教えて
いただく様々なこと。
患者さんが、自らの命を使って、
学びの機会を与えてくださっています。
その思いを無駄にすることなく、
これから出逢う患者さんたちに
関わっていきたいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。
ありがとうございました。
「宙に還るアナタと
また出逢えますように・・」
最後は笑って
お別れしましょう
ありがとうのかわりに
・・・
サヨナラのかわりに
このMVが素敵なので、
よかったらご覧ください。